試験走行電気自動車事故直後の様子(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国の電気自動車メーカー「NIO(ニーオ)」のテスト車両が22日、上海本社ビル3階から転落し、職員ら2人が死亡した。

 中国メディアによると、上海で22日夕方5時22分ごろ、自動車メーカーが入る建物の3階から、試験走行などに使われる電気自動車が転落し、車の屋根が押しつぶされ、さらに横転し、車内に人が閉じ込められるという事故が発生した。

 事故直後に撮影された写真では、壁を突き破ったのか、がれきや粉々になった部品などが横転した車体の周りに散乱している。

 通報を受けた救急隊が駆け付け、車の中に閉じ込められていた職員2人を病院に搬送したが、2人とも死亡した。

 ネット上の動画では、ボディ全体にカモフラージュ・ステッカーを貼った電気自動車ET7の様子が映っている。多くの中国の自動車ニュースウェブサイトは、これがまだテスト中のET7の改造モデルであると指摘した。

 NIOは23日に声明を出し「予想外の事故で、現時点では車両との関係はない」との見解を示していて、警察が事故の原因を調べている。

 NIOは「中国版テスラ」とも呼ばれていて、今回の事故は、中国のSNSの検索ランキングで1位になるなど注目を集めている。

 中国のカービューサイトによると、多くの車両開発エンジニアが、運転経験が豊富なだけに、アクセルを踏み間違える確率は非常に低いため、試験走行車の自動操縦プログラムが誤動作した可能性があると結論付けている。業界内では、自動車の技術試験段階で問題が発生することはよくあることだが、ビルを飛び出して2名が死亡した事故は、すでに重大な内部責任事故である。

(翻訳・藍彧)