ソロモン諸島,ガダルカナル島ホニアラ(Kahunapule Michael Johnson from Pukalani, Hawaii, United States of America, CC BY-SA 2.0 , via Wikimedia Commons)

 南太平洋のソロモン諸島と中国は3月31日、両国の間で安全保障に関する協定を締結することで合意したと明らかにしました。中国共産党(以下、中国)が同国に軍隊駐留を認めさせる動きは、インド太平洋地域の安全保障上の懸念を高めている。ソロモン諸島の政治顧問のタリフィル氏は、この条約を締結すればインド太平洋の安全保障に影響を与えると述べ、ソロモン諸島の政治家が中国企業に買収されたこと、北京の傀儡(かいらい)国になる恐れがあることを明らかにした。

 専門家「ソロモン諸島の政治家は中共に買収され、北京の傀儡国になり得る」

 ソロモン諸島首相府が3月31日に発表した声明では、「ソロモン諸島と中華人民共和国の当局者は本日、二国間の安全保障協力枠組み(SCF)に署名した」と明らかにした。

 マライタ州のダニエル・スイダニ州知事の政治顧問タリフィル氏は、この安全保障条約について、同国とインド太平洋地域にとって悪いニュースであり、中共が意図的に米中間の地政学的紛争に同国を巻き込もうとした結果、同国の国民が苦しむことになるだろうと述べた。

 タリフィル氏は、スイダニ氏が率いるマライタ州が、2019年に中国と国交を樹立することに同意したことがないと述べた。中国からの伐採業者がソロモン諸島の政治家を買収し、同国の森林と人民を侵害していたこと、利益を横領した政治家で構成される同国の中央政府は民主的ではなく、政府が国民に責任を果たさず、国全体が寡頭制になっていたことを明らかにした。

 タリフィル氏は、オーストラリア、ニュージーランド、日本、米国がソロモン諸島の国民の福祉と地域安全のために、同国政府の寡頭政治を支持しないように呼びかけた。

 また、中国の傀儡国家にならないために、国連安全保障理事会は2000年の「タウンズビル和平協定」の履行を確保するべきだと述べた。この協定は、同国政府の憲法改正や、マライタ州などの自治権を拡大することを求めている。

 米政府高官「中共、南太平洋で軍事関係構築を図る」

 米当局者は、中共の太平洋における明白な野望は「大きな懸念」であり、「(中共が)太平洋地域で軍事関係を構築したいという非常に明確な兆候がある」と指摘した。特にソロモン諸島における中国の影響力の拡大を懸念している。昨年11月の反政府暴動後、中共がソロモン諸島の警察部隊の訓練に協力するために、警察顧問と装備を送ったと指摘し、「現在最も緊迫しているのはソロモン諸島の状況だ」と述べた。

(翻訳・藍彧)