寒さの中でPCR検査のために路上に並ばされた香港人(写真撮影:看中国/何佳慧)

 香港当局の7日発表によると、過去最多の607人の域内感染が新たに報告された。「ゼロコロナ」政策を堅持する政府は制限措置を強化した。

 香港の大陸部分で最西の位置する屯門区(とんもんく)大興村(だいこうそん)にある公営住宅団地の興泰マンションで、封鎖が解除された後、 71歳の男性が自宅で死亡したのが発見された。

 複数の香港メディアの報道によると、同団地で感染が確認されたため、興泰マンションが6日から政府によって封鎖され、7日に解除されたという。7日午前10時頃、警備員は、ノックしても応答しない家があって、確認すると、家の中で意識のない老人(林さん、男性、71歳)を発見し、救急車が到着したところ、老人が死亡したことが確認された。林さんは、定年退職者で、病歴があるという。

 林さんが封鎖期間中に死亡したことは、香港社会で注目を集めた。ネットユーザーは、封鎖措置を実施している中、独居高齢者や恵まれない人々などに対して、当局が十分なケアを行ったかどうか疑問視した。最近は寒い日が続き、入居者は寒風の中、時には数時間もPCR検査を待たされていた。食事の配給や消毒など、当局の対応が不十分で、食事の配給はよく朝食が昼食に、昼食が夕食に、夕食が夜食になることが多かった。また、配給漏れもしばしばあった。

 屯門区の元区議員の曾錦榮(Tsang Kam Wing)氏は、同事件について、同高齢者の死因は分からないが、明らかに政府に責任があるとフェイスブックに投稿した。「この人災を引き起こした香港政府こそが、この高齢者の死に責任がある」

 香港政府の極端な「ゼロコロナ」措置により、数万人の香港人が寒さの中で数日もPCR検査のために路上に並ばされた。建物の封鎖がまだ続いており、市民には極めて迷惑な措置となっている。しかし、中国共産党の公式メディア「新華社通信」と「人民日報」は7日、香港は今こそ「思想を統一」し、「ゼロコロナ」の方針を堅持する必要があるという内容の記事をそれぞれ掲載した。

(翻訳・徳永木里子)