ストライキ期間中は完全に業務を停止するという声明(鲁 难のTwitterより)

 中国恒大グループ各地の支社ではこのほど、長引く賃金未払いを理由に、ストライキが相次いで発生している。

 中国住民が投稿した写真では、湖南省長沙市にある恒大珺悦府(くんえつふ)の工程部は22日、広西チワン族自治区南寧市にある恒大国際センターは23日、恒大山西省公司などを含む支社は、恒大グループが従業員に賃金と社会保障金を支給していないため、今週からストライキに入り、ストライキ期間中は完全に業務を停止するという声明を会社の入口の扉に貼り付けている。

 恒大グループは今年に入ってから債務危機に陥り、12月には中国の債権者が恒大グループから総額840億元(約1.51兆円)の延滞金を回収するための訴訟を開始した。

 また、中国共産党は社会の安定に影響が出ないように、出稼ぎ労働者への延滞金を優先して返済するよう恒大グループに要求したという。

 中国の不動産市場が直面している危機について、香港の金融アナリストである蒋天明氏は「希望之声」に対し、不動産開発会社の資金繰りは、従業員の就業だけでなく、上流企業の存続にも影響を及ぼしていると述べた。不動産開発会社の資本チェーンが途切れると、上流企業が破産リスクに直面することになり、上流企業の従業員が失業する可能性がある。物件が完成しなければ、購入者が入居できない。さらに注目すべきは、不動産開発会社の負債は銀行、信託、ファンドなどに関連し、クロスデフォルトを引き起こしやすく、システム全体の金融安定に衝撃を与えやすいことだ。

(翻訳・徳永木里子)