頼清徳副総統(中華民國總統府, CC BY 2.0 , via Wikimedia Commons)

 中国共産党(以下、中共)は新疆ウイグル自治区にある台湾人実業家の工場を予告なしに取り壊した。これは台湾の「遠東集団(ファーイースタン・グループ)」が政治的理由で多額の罰金を科せられた後、台湾企業が圧迫される2件目になる。

 台湾メディアによると、中華民国の頼清徳副総統が5日、金門市に国民投票の街頭演説を行った際、台湾人実業家である王金泉氏に陳情で呼び止められた。

 王金泉氏は今年、コロナのために台湾に帰国した。彼はもともと中国でグリーンエネルギーと環境保護事業に従事しており、新疆ウイグル自治区の地方政府に数百万元の土地補償金を支払った後、2015年に50年間の使用権をもらい、2018年に工場を建設したが、わずか3年しか使用しなていなかった。今年11月20日に現地当局は予告なしに工場を取り壊した。施設、設備、材料などすべてがどこに運ばれたか不明である。

 同氏によると、取り壊された工場は新疆ウイグル自治区カラマイ市にあり、工場だけで400〜500万元(約8900万円)近くかかり、経済的損失は1000万元(1.78億円)以上になるという。

 中華民国の対中政策を担当する大陸委員会の邱垂正(きゅうすいせい)副主任委員は6日、中共のこの行為が両岸関係に大きなマイナスの影響を与え、投資リスクに加え、もう1つの政治的リスクが増え、中共はいずれ自らの悪果を食らうことになるだろうと述べた。

(翻訳・徳永木里子)