中国のテニス選手・彭帥氏が中共トップ7位の張高麗氏に性的侵害を受けた事件は引き続き国際的な騒動を引き起こしいます。便利のために、彭帥氏が張高麗氏に性的侵害を受けた事件をこれからは「彭帥事件」と略称します。「彭帥事件」は中国関連のニュースのなか、最大のニュースとなり、最大の中共スキャンダルとなっています。中共は彭帥事件についての国際圧力に対して、積極的な対応を取らなく、関連部門や個人を通じて、彭帥氏はまだ安全に生きているとの情報を絶えず発信しています。しかし、中共が公開したすべての情報には、大衆に納得できないメッセージが含まれています。

IOC会長とのテレビ電話

 最新公開したのは彭帥氏と国際オリンピック委員会(IOC)会長トーマス・バッハ(Thomas Bach)氏とのテレビ電話です。報道によると、電話は30分続き、IOCアスリート委員会のエマ・テルホ委員長とIOCの中国人委員・李玲蔚氏も同席しました。おかしいのは、映像は公開されてなく、一枚の写真しかありません。バッハ氏の話しによると、彭選手は「自身は安全で元気に北京の自宅で暮らしているが、今は自分のプライバシーを尊重してほしい」と説明し、「友人や家族と過ごすことを希望している」と言い、最後には来年1月二人は北京で一緒に食事をすることを約束したが、なぜ、動画を公開しないのでしょうか。バッハ氏には電話をする映像があるはずですが、なぜ、彼は映像を公開しないのでしょうか。30分の映像を全部公開しなくても、彭帥氏の声が聞こえる部分だけ、数分間の映像だけ公開すれば、説得力が高いのに、なぜ、公開しないのでしょうか。

IOC会長とのテレビ電話(ネット写真)

 彭帥氏の安否に最も懸念をしている人は、IOCの会長ではなく、国際女子テニス協会(WTA)の会長シモン氏なので、彭帥氏とシモン氏にテレビ電話をさせれば説得力がもっと高いではないでしょうか。実は、IOCは中共から大量な資金を寄付してもらい、バッハ会長と中共との関係が普通ではありません。だから、今回の電話会談は、双方が協力し合った茶番劇の可能性が高いです。目的は北京の冬季オリンピックを確保することでしょう。冬季オリンピックには、中共の利益だけでなく、IOCの利益も含まれています。現在、北京の冬季オリンピックのボイコットが全世界から高まっているので、いったん本当に中止されると、中共とIOCは非常に大きい打撃を受けます。そのため、IOCのバッハ会長は数日前にも、彭帥事件について沈黙外交を取る方が、問題解決にもっとプラスになると表明したことがあります。実は中共のために声を出しているのです。だから、今回中共が彭帥氏とIOCのバッハ会長と電話会談をさせたには目的があり、バッハ氏が動画を公開しないのも、個人の目的があります。また、最初から電話会談を行ってない可能性も排除することはできません。

環球時報の動画

 中共メディア『環球時報』の胡錫進編集長も、彭帥氏の安否状況を伝えるために活躍しています。彼は最近彭帥氏関連の動画を数件掲載しました。一つは、彭帥氏がレストランで食事をする動画です。しかし、NPR記者・馮哲雲は、個人のツイッターで、真相を確かめるために今日レストランに行って食事をしながら聞いてみたところ、ウェイトレスは彭帥氏がこの2日間にここに来たことがあるかどうかは確認することできなく、レストランには胡錫進が掲載した動画に出てきたような個室がないと言い、オーナーは、麺類とタケノコが書かれた請求書を見せながら、「彼らはあまり料理を注文していなかったので、ほとんど会話しかしなかったと言ったと、文章を発表しました。胡錫進氏が掲載した動画には、数名が個室の料理をいっぱい載せている大きいテーブルを囲んでいるので、レストランの従業員の話と食い違っています。

(ツイッター動画のスクリーンショット)

 また、動画は11月20日撮ったものと言われていますが、動画には撮影時間をわざと強調しているようです。レストランの入り口でわざと日付が付いている「今日は消毒済」を表示する看板を撮り、食事後の世間話にはわざと「明日11月21日」を強調していました。また、入り口では、わざと彭帥氏に後ろを向いてもらって、顔を撮影したのです。だから、これらの動画はわざと彭帥氏の存在を証明するために撮ったものではないかと疑われています。また、翌日の青少年テニス大会に出席した彭帥氏の動画も掲載していますが、挨拶するときも、少年選手たちに署名している時も、彭帥氏の声は一回も出してありません。前日の食事の時も、彭帥氏は一言も話してありません。彭帥氏の顔まで出したのに、なぜ声は出さないのか。すべての動画には疑問がいます。

彭帥氏の在宅写真

 11月20日、環球ネットの記者・沈詩偉(ちんしい)氏は、「彭帥氏がすぐ前にWeChatで最新の写真を3枚投稿し、「Happy weekend」と言った」とツイートしました。しかし、北京では現在真冬なので、気温が低いため、自宅にいるとしても、半そでとショートパンツを着ているのは可笑しいだと、だから、これらの写真は最近撮ったものではないと、すぐ疑われました。また、なぜ彭帥氏は自ら写真を公開するのではなく、必ず環球ネットの記者を通じて公開するのか、これも疑問です。

(ツイッターのスクリーンショット)

可笑しいEmail

 中共政府はこのような事件について、常に沈黙な態度を取り、時間の経過につれて事件の温度が下がることを待っていますが、今回は例外に、中国グローバルテレビジョンネットワーク(CGTN)が、ツイッターで彭帅氏がWTAのシモン会長に送付したemailのハードコピーを掲載したのです。Emailの内容はともかく、このメールにはいくつかの可笑しいところがあります。例えば、掲載されたemailの内容はハードコピーですが、上から第3行目の「and」という文字にはカーソルがあります。すでに発信したEmailならカーソルがないはずですが、カーソルがあるため、この文章はまだ送付してなく、編集中のものをハードコピーしたものではないかと疑われ、なぜ送付済のものをコピーせず、編集中のものをコピーしたのかと疑問されています。また、emailの宛先はWTAのシモン会長はずですが、なぜ、冒頭には「Hi, Steve」あるいは「Mr. Simon」などと宛先をはっきり書かなく、「Hello everyone」と、大衆向きに書いたのか。さらに、emailの最後にはなぜ署名をしなかったのかなど、emailには可笑しいところが数箇所あるため、この文章は物笑いの種になってすぐ各メディアに報道され、中共のスキャンダルがすぐに全世界に伝われました。また、いわゆるEmailには、最も基本的なところにミスがあるため、このemailを公開した人は、このような方法で、何か重要なメッセージを伝えているのではないかと疑う人もいます。

(李真実より)

 シモン氏はこのemailを見たあと、彭帥氏のことにもっと懸念を持つようになったと言い、彭帥事件について全面的に、公開的に調査し、彭帥氏の安全の確保してもらうよう呼びかけました。その翌日、国際男子テニス協会・ATPがフォローし、アンドレア・ガウデンツィ(Andrea Gaudenzi)会長は彭帥事件について全面的に調査することを支持するとの声明文章を公式サイトで発表しました。アメリカテニス協会USTAもほとんど同時にATPと似た内容の声明文を公開しました。それから、各国の著名なテニス選手たちも彭帥氏の安否に懸念を表明し、中国政府に納得できる解釈を求めました。日本の大阪なおみ選手もツイッターで「Where is PengShuai」、彭帥氏はどこにいるのか?とのマークを掲載して、彭帥氏の安否に懸念を示しました。国際テニス連盟・ITFも10日以上沈黙していた後、テニス選手の安全を確保することは連盟が最優先に考えることで、彭帥事件に対して、全面的に、透明性がある調査を行うことを支持するとの声明を発表しました。

 現在、彭帥事件はドミノ現象となっています。WTAのシモン会長はドミノ倒しの第一人です。シモン会長が彭帥事件について、全面的に調査するように呼びかけた後、各国の著名なテニス選手から、ほかの種類のスポーツ選手、国際テニス協会、国際人権組織、アメリカ政府など、全世界の体育、人権、政府など各界がフォローしています。11月20日国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のリズ・スロッセル(Liz Throssell)報道官は、スイス・ジュネーブの本部で記者団に対し、彭帥選手の「所在と無事の証拠を得ることが重要になる。また性的暴行を受けたとする告発に対し、完全に透明性のある調査が行われることを強く求める」と述べました。同日、WTAのシモン会長は、「もし、北京が彭帥事件を明らかにしなければ、WTAは中国でのすべての業務を中止し、しかも、そのため発生したすべての結果について責任と取る」ともっと強い声明を発表しました。アメリカホワイトハウスのサキ報道官も彭帥事件について注目を表明し、バイデン政権も北京で来年2月に開かれる冬季オリンピックを、外交的にボイコットすることを検討しています。現在、「彭帥事件」は、来年北京オリンピックへのボイコットのもっとも重要なきっかけとなっています。

(李真実チャンネルより転載)