オリーブのボウル(Garry Knight CC BY 2.0 via flickr

 地中海沿岸の国々では、多くの先進国より国民が長寿で、心血管疾患や糖尿病などの慢性疾患の発症率が低いことから、近年、この地域の食事スタイルを取り入れる人が増えています。

 健康な食事スタイル地中海食は、赤身肉や糖類を少なめに、魚介類やチーズを適量に摂取する一方で、野菜、果物、オリーブオイル、ナッツ類などの天然食材を多く摂ることを推奨します。地中海食では、ある種の食品に対する制限がなく、高価な代替食品やサプリメントを購入する必要もありません。ただ以下通りの食事ルールを守れば十分です。

 1.野菜、果物、穀類は食事するたびに食べる。

 2ナッツ類や健康に良い油(例えば、オリーブオイル)は一日1回食べる。

 3.魚介類、たまご、乳制品や鶏肉は週2回食べる。

 4.赤身肉とデザートは週に1~2回食べる。

地中海食(public-domain via Piqsels)

 全粒穀物、野菜、果物、豆類、ナッツ類、オリーブオイルと香辛料は、地中海食の主要部分となります。赤身肉とデザートは、まったく食べてはいけないわけではありませんが、なるべく量を控えめにします。糖質の多い甘い飲み物は、地中海食では禁物です。ただし赤ワインなら、男性は1日に2杯、女性は1日に1杯飲むのが適量とされています。

 オリーブオイル、魚介類、ナッツ類などの食品は、良質な不飽和脂肪酸の供給源です。不飽和脂肪酸は血栓を防ぐ作用があり、心血管健康によいと言われ、認知症(アルツハイマー病を含む)の予防にも効果が期待されます。野菜や果物を摂ることで、腸の働きを維持し、免疫力を高め、心血管疾患やがんの予防に役立ちます。多くの研究結果によれば、植物由来の食品を中心とする飽和脂肪酸の少ない食事は、減量(特に腹囲の縮小)、血糖コントロール、インスリン抵抗性の改善に効果があるとみられています。

 地中海沿岸の国々で心血管疾患の発症率が低いのは、こうした健康食を実践しているだけではありません。家族や友人と一緒に食事を楽しむことや、毎日適度の運動も強調されます。徒歩、あるいは自転車をこぐ時間を毎日少しずつ増やせば、健康なライフスタイルに少しずつ近づけていけるでしょう。

(翻訳・心静)