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 習近平当局は、国内消費が経済の重要な成長要因であると繰り返し主張しているが、家計負債はすでに高水準にあり、中国経済は不況に転じている。

 「90後(1990年代生まれ)」と「00後(2000年代生まれ)」が徐々に社会の主な消費者となっている。そのうち、「90後」は安定した収入を得始め、「00後」は職場に進出し、新世代の消費者を構成するようになってきている。中国の「90後」と「00後」の人口は3億4000万人で、全人口の約4分の1近くを占めている。

 中国銀行傘下の中銀消費金融連合の時代データがこのほど発表した「現代若者消費報告」によると、90年代以降の人口1億7500万人のうち86.6%が分割払いや延滞返済が必要なさまざまな借金を抱えており、13.4%だけが負債を抱えていないという。

 90年代以降の人々は、住宅ローンの返済以外に、生活の質やレジャーを向上させるために消費者ローンを利用している。

 中国共産党の機関紙「人民日報」の解説によると、中国の若い世代の心配される消費習慣が浮き彫りになっており、若者らは「先に買って、後で払う」の消費方法を採用する傾向があり、より良い体験や高品質の製品を買うためには、たとえそれが負担能力がなくても喜んでお金を使うという。

 中国中央銀行のデータによると、2020年6月30日までに、半年間のクレジットカードの未払い総額が854億元(約1.5兆円)に達し、10年前の10倍以上に急増しており、これらの延滞者の半数近くを「90後」が占めているという。

 欧州天鈞政経シンクタンクの任重道(にん・じゅうどう)研究員は、人々の生活に最も関連のある所得と消費などの方面から状況を分析した。経済データは、消費の低迷と内需の低下を示しており、その主な原因は人々の所得の減少と急激な物価の上昇にあると考えられる。現在の状況を見ると、新型コロナウイルスの影響により消費量の数字は楽観視できない。また、家計負債の多くは住宅ローンで構成されており、長期的には人々の消費力が過剰になり、消費の伸びが疲弊している。

 中国国民の債務負担に関する公式の指標はいくつかあるが、その中には、国民の債務総額を国内総生産(GDP)で割った「国民のレバレッジ(負債)比率」がある。中国の中央銀行はこのほど、新型コロナウイルスの影響で国内のマクロレバレッジ率が段階的に上昇し、国民レバレッジ率は前年同期比7.4%増の72.5%に達したと発表した。専門家の中には、中国はここ5年間で国民レバレッジの成長率が最も高く、すでに米国を超えていると指摘する人もいる。

(翻訳・吉原木子)