ジョー・バイデン大統領とカマラ・ハリス副大統領(White House, Public Domain)

 最近の中国共産党(以下、中共)軍の核兵器の拡大、宇宙・サイバー作戦、ミサイル技術の発展など多方面での推進は、米国に不安を与え、警戒させた。これは、バイデン政権や米軍に中共の脅威を再認識させた。

 米国を驚かせた最新の例は、中共軍による極超音速兵器の実験である。同兵器は、地球を周回した後に大気圏に再突入し、操縦可能な経路を通って目標まで滑空することができる。同兵器システムは、米国のミサイル防衛システムを回避するように設計されている。北京はミサイルではなく繰り返し使用できる航空機をテストしていると主張したが、今回のテストは依然として米国の政府関係者を驚かせた。

 核兵器については、ここ数ヶ月の民間衛星画像で、中国側にミサイル発射サイロが増加していることが明らかになった。これは、中共の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の増加の可能性を示している。

 全米科学者連盟(FAS)の核兵器専門家であるハンス・クリステンセン氏は、中国は約250基のICBMサイロを建設中のようで、これは、現在軍事行動で使用されている量の10倍以上だという。

 AP通信によると、米軍のジョン・ハイテン統合参謀本部副議長は、「中国(中共)の前進ペースの速さは憂慮すべきものだ」と述べた。米議会も中共の軍事開発への懸念を強めており、宇宙・サイバー作戦や極超音速技術への米軍支出の拡大を支持している。例えば、トランプ前大統領の政権によって開始された、ミサイル潜水艦に極超音速兵器を装備するための予算を、来年の防衛予算に計上しようとする動きがある。

 数十年来、米国は中共の国防投資の増加に注目しており、北京の目標が世界の覇権大国にあることを心配してきた。しかし、過去少なくとも20年間で、ワシントンはアルカイダやイラク、アフガニスタンでの他のテロの脅威にもっと力を入れてきた。それはトランプ政権の間で変わり始め、トランプ前大統領は2018年に中共とロシアを正式に国防優先事項リストの第1位に引き上げ、テロに代わる第1の脅威とした。

 現在、バイデン政権は、ロシアの核保有量が中共よりはるかに上回ることから、依然としてロシアを米国の最大の戦略的脅威であると考えている。しかし、ミリー将軍をはじめとその他の人々は、中共の経済力はロシアよりはるかに超えており、急速に資源を軍事近代化に投入しているため、中共はより長期的で大きな懸念であるとしている。

(翻訳・徳永木里子)