(Shinsuke Ikegame, CC BY 2.0 , via Wikimedia Commons)

 中国江蘇省の国家安全部の徐延軍(じょ・えんぐん)副部長が20日、米国で裁判に出廷した。中国共産党(以下、中共)の高級スパイが米国に引き渡されて裁判を受ける先例を作った。

 徐延軍スパイ案はオハイオ州シンシナティ連邦裁判所が審理を担当している。徐延軍は、共謀罪、米国の複数の航空宇宙会社から商業秘密の窃盗未遂、および経済スパイ活動の容疑で起訴された。彼は2018年4月にベルギー・ブリュッセルのショッピングモールで逮捕され、同年10月に米国に引き渡されて裁判を受けた。

 FBI捜査官が20日、陪審員に関連証拠を提示した。FBIは捜査中に、徐容疑者から押収した携帯電話4台のうち、1台のデータが遠隔操作で消去されてたことに気づいた。

 もう一つの携帯電話から、FBIは徐容疑者がスパイとして募集しようとした相手であるGE・アビエーション(ゼネラル・エレクトリック・アビエーション)のあるエンジニアの家族写真と、ファンブレードの複合材料に関するメモを見つけた。FBI捜査官は、これが中共がGE・アビエーションから盗もうとした技術であると主張した。

 GE・アビエーションはシンシナティに本社を置いており、同社のガスタービン・エンジンは、中共がずっと欲しがっていた最先端技術の一つである。

(翻訳・吉原木子)