(Bourrichon, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

 防衛省によると18日、中国海軍のミサイル駆逐艦など5隻とロシア海軍の駆逐艦など5隻のあわせて10隻が北海道と本州の間にある津軽海峡を同時に通過した。

 海上自衛隊機と艦艇は、その10隻の艦艇が北海道・奥尻島の南西約110kmに位置する日本海の津軽海峡を通過して太平洋に向けて航行していることを観測した。津軽海峡は、国際的な航行に利用されており、通過は認められているが、中国とロシアの艦艇が一体となって日本の周辺海域を通過するのは異例で、同時に津軽海峡を通過するのも今回が初めてである。

 ヤフーニュースによると今月、中国とロシアは日本海で合同の軍事演習を実施し、ロシア国防省は潜水艦の追跡訓練などを行ったとしていて、通過した艦艇も演習に参加していた可能性があるという。

 ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、今回の中露合同軍事演習では、掃海(そうかい)、海上目標への艦砲射撃、艦隊の防空と通信などが行われたという。また、ロシアは主力戦闘機のスホイ30(航空機)や防空部隊を投入して演習に参加した。双方の演習には潜水艦が使われ、中国共産党はさらに固定翼の対潜水艦機を派遣した。中国側は相互協力のレベルアップをアピールした。

 しかし、ロシアの大衆紙「モスコフスキー・コムソモーレツ」は、これが両国が真の盟友になったことを意味するものではないと報じた。双方が原子力潜水艦を演習に使用し、ロシアと中国の原子力潜水艦からミサイルを発射すれば、両国の海軍の本当の意味での戦略的同盟が証明される。

 ボイス・オブ・アメリカの報道によると、中国共産党はロシアを丸め込もうと考えているが、ロシアが本当に信頼できるパートナーかどうかはまだ疑わしいという。数年前までは、ロシア海軍は同様に日本海軍とも交流していた。中国とロシアは互いに利用しあっていて、どちらも損をしたくないのだろう。

(翻訳・徳永木里子)