情報筋によると、アリババグループは12日、所有している財新伝媒(Caixin Media)の株をすべて売却し、同社への投資を完全に撤退したという。

 中国共産党(以下、中共)発展改革委員会は8日、「市場参入ネガティブリスト」の2021年版の草案(意見募集稿)を発表し、民間資本がニュースの収集・編集・放送・配信業務に従事してはならないなどの6項目の規則を定めた。

 同草案は、民間資本が、政治、経済、軍事、外交、社会問題、文化、科学技術、衛生、教育、スポーツなど、及びその他の政治志向、世論誘導と価値観志向に関連する活動や事件の生中継に従事してはならないこと、外国の団体が発行したニュースを導入してはならないこと、ニュースや世論の分野でフォーラム、サミット、アワードを開催してはならないことを記している。

 エンタープライズサーチが公開された調査情報によると、「財新伝媒」は財経ニュースや情報サービスを提供する総合メディアグループであり、ウェブサイト、定期刊行物、動画、書籍、会議などを含むマルチレベルのビジネスプラットフォームを持っている。現在、アリババグループ、浙江デジタル文化社などはすでに財新伝媒の株主リストから消えている。

 インターネット上のアナリストは、もし同草案が施行された場合、中共の公式報道が、人々が情報を得る唯一のチャンネルとなり、民営のニュースメディアや雑誌、新聞は崩壊しなくても、報道するための自主性を欠くことになると指摘した。これは中共当局が中国社会、特に言論に対する全体的な統制を強化していることを示している。

(翻訳・吉原木子)