中国中信集団公司(CITIC Group)本社の中国尊ビル(画像中央)(葉又嘉, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 中共のトップ・習近平総書記は昨年から民営の大手IT企業、塾業界、芸能界を次々と取り締まった後、今度は25の国有金融機関がその標的となり、一部の人は厳罰を免れないと見られています。

 中規委のトップ趙楽際書記が9月にこの調査を発表し、10月に調査が開始しています。「中規委」は中共の路線の実行や党員の腐敗などを監督する機関で、言わば合法的に政敵を倒すのによく利用される機関でもあります。前任の王岐山元書記は在任中に、習近平総書記のために多くの政敵を粛清しました。

 今回の調査の目的について、台湾中央通信社の12日付は米WSJの報道を引用して、中共が経済の命脈を完全にコントロールするため、資本主義勢力への抑圧を強化していると分析しています。つまり、中共の影響力を脅かす大手民間企業などに金融機関が支配されるのを防ぐ目的です。

 また、25の国有銀行や投資基金の土地開発大手・恒大集団、配車サービス大手・滴滴出行、金融サービス大手・アントグループなどとの関係に調査の重点を置いているようです。

 同報道によると、 世界的規模の外資を有する中国国有投資会社・中国中信集団公司(CITIC Group)は以前、リスクの大きい恒大集団のために投資ファンドを設立して恒大の主な債権者の一員となりました。関係者の話では恒大が2015年、プロジェクトのために資金を調達する際、CITICグループは約30億米ドル(約3400億円)の提供を約束した後、収益率の高い投資商品をパッケージ化し、個人投資家に販売しました。しかし 、恒大がもし債務不履行に陥れば、個人投資家は投資を回収できなくなります。

 お金を持っていても気楽に生きられない中国の生活環境はさらに厳しくなりそうです。中共当局は8日、「社会主義市場経済を改善するため」、金融やインターネット、メディア市場などにおける新たな規制案を発表しました。

 この規制案では、民営企業はテレビ局や新聞社を設立・経営してはいけないと定めているほか、政治や軍事、外交などの分野で、世論を誘導したり、重大事件の実況や中継をしたりしてはいけないという内容が含まれています。規制案が通れば、報道規制はさらに厳しくなります。

 最近、中共が製作を依頼したプロパガンダ要素満載の映画を指摘しただけで、著名のジャーナリストが拘束されました。

(新時代Newsより転載)