2010年8月、北朝鮮の妙香山でのスパバ氏と北朝鮮人(デハンミン衰退, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

 孟晩舟(もう・ばんしゅう)氏の中国帰国後に釈放されたカナダ人実業家のマイケル・スパバ氏はこのほど、初めて姿を現し、家族と再会できて幸いであるとの声明を発表した。

 スパバ氏は1日、カナダ外務省を通じて発表された声明の中で、「ようやく家族と再会できたことを嬉しく思います。カナダ人や世界中の人々から継続的な支援を受けていることを理解し始めた時、恥ずかしい思いがします。皆さんありがとうございます」と述べた。また、カルガリーで家族やペットと一緒に撮った写真を公開した。写真には、3年間の獄中生活で明らかにやせ細ってしまったスパバ氏の姿が写っている。

 カナダ外務省も、今後、スパバ氏と家族はプライバシーが尊重されることを望んでいるため、これ以上のコメントは差し控えると表明した。

 スパバ氏はかつて北朝鮮と中国での勤務経験がある。2018年12月の孟氏の身柄引き渡し事件が発生した後、スパバ氏とカナダの元外交官であるマイケル・コブリグ氏は、中国共産党政府による「スパイ罪」の報復として逮捕され、1000日以上拘束されていた。その間のほとんどの時間、2人は別々の一人部屋の牢獄で過ごした。カナダ政府は、北京のやり方を強く非難し、2人の釈放を絶えず求め続けていた。この動きは他国政府の長期的な支持と声援を得た。

 孟氏が米国と起訴猶予協議に合意し、カナダを出発する飛行機に乗った数時間後、スパバ氏とコブリグ氏は釈放され、9月25日にカナダに帰国し、空港でトルドーカナダ首相が自ら出迎えた。カナダのメディアの報道によると、コブリグ氏は飛行機から降りた直後、大地にキスをし、「今は最高の気分だ」と感慨深げに語ったという。

(翻訳・吉原木子)