山西省の洪水被害はますます深刻になっており、黄河第二の分流である汾河(ふんが)の山西河津地域が67年ぶりの洪水に見舞われた。当局が黄河区域で放水することを決めたため、山西省運城市新絳県汾河北部の堤防が決壊し、新絳県と多くの村が浸水した。一部のところでは水深が3メートルにも達した。当局は山西省の大雨で5万人以上が避難を余儀なくされたと報じた。一部の村人は「ここ数年稼いだ家財が全部なくなった」と泣きながら訴えた。

 複数の報道によると、7日17時頃、山西省運城市新絳県汾河の水は上流ダムの放水によって急増し、北部の堤防が20メートル近く決壊し、同県多くの村が浸水した。8日16時30分頃、汾河新絳区間橋東村付近の堤防が決壊した。9日7時40分頃、汾河下流河津区間の流量は985立方メートル/秒に急増し、1954年以来の最大流量となった。地元政府は、河津市連伯村付近の連伯灘の干潟を利用し、洪水を溜めて、西側の黄河へ流すことにした。地元住民は微博(Weibo、ウェイボー)で緊急救助を求め、現在の状況を明かした。

 「連伯灘は連伯村の農民の畑で、農民の土地に放水するなんて、彼らの1年間の苦労が全部台無しだ」

 「連伯村の付近は干潟ではなく、全部沃田(よくでん)であり、1年間苦労して、やっと収獲の季節になったのに、全てが台無しになった。1年の収入がなくなった」

 8日夜、洪水は運城市稷山県の荆平村、小李村、大李村、楊村などに流れ込んだ。

 情報筋によると、洪水発生後、当局は豚を運ぶための車で村人を移転させたという。動画を撮影した女性は「わあ、こんなところに人がいるなんて」と驚きの声を上げた。

 ネットユーザーが投稿した動画によると、山西省運城市新絳県では9日、一部のところの水位が3メートルに達し、県全体が2メートル近くの水に浸かっている。

(翻訳・吉原木子)