(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 ソーシャルメディアTikTok(テイックトック)はこのほど、「devious licks(悪魔のような舐めっぷり )」というチャレンジが登場し、米複数の州で流行を巻き起こした。多くの学校で被害が報告されている。

 同チャレンジの影響を受けた生徒たちは、学校で公共物を破壊し、その「成果」をTikTokに投稿してオンラインでの「いいね!」を獲得している。

 消火器、パソコン、時計、机、椅子、ドアなど、学校の公共物の多くは、生徒にとって「戦利品」になっている。また、学校のトイレの便器や鏡を壊し、便座を丸ごと取り除いた生徒もいた。さらに、トイレのシンクや手洗い液を入れる容器を壁から取り外し、通風口や水道管を壊した後、「戦績」として撮影してTikTokに投稿して、ネット上で「いいね!」を獲得している生徒もいた。

 これらの行為は、通常の学校生活に大きな影響を与え、その修復には数千ドルの費用がかかる。トイレが破壊された学校では、授業中にトイレを閉鎖しなければならない。教師はシフト表を作って、クラス全員を同じ時間にトイレに行かせて、そばで教職員が監視していた。

 この問題に関しては、「ゼロ・トレランス方式」を採用すると主張し、破壊者が見つかった場合には、停学、退学などの懲戒処分、あるいは刑事告発をする学校もある。

 ゼロトレランス方式は1990年代クリントン大統領の呼びかけのもと、荒廃した学校の規律を立て直すため導入された生徒指導の方式で、現在も全米で数多くの学校が取り入れ、教育現場で根強い支持を得ている生徒指導方式である。

(翻訳・徳永木里子)