中国河南省鄭州市の旅行用バスの自営業者は政府の庁舎前で陳情している。(ツイッター動画のスクリーンショット)

 営業停止にされた中国河南省鄭州市在住の旅行用バスの自営業者200人あまりは6日、同省の交通運輸庁の庁舎前で、「我々は生きたい、我々は食べ物が必要」などの横断幕を出して営業再開を求めました。

 しかし、バスの前方には「共産党万歳」との横断幕が掛けられ、横にある横断幕の最初にも「共産党を固く支持する」とあり、その後に「我々は生きたい、我々は食べ物が必要」というメインメッセージが続きました。

 ネットユーザーからは「共産党を前に出して効果があるのか」との疑問の声がありました。

 米メディア「エポック・タイムズ」の記事によると、現場には武装警察や公安局の人間も現れ、公安局の人間が横断幕を外しました。しかし、陳情者らは逮捕を免れた一方で、問題の完全解決に繋げることはできなかったようです。

 同記事によると、7月に発生したバスの事故をきっかけに、鄭州市の1000台あまりの省を跨ぐ旅行用バスが営業運用を停止されました。停止理由は「車検証と営業許可証に記載されている座席数が合わない」としています。しかし、政府が両証を発行したので、バス所要者はその理由を知るはずもなく、どうしようもできません。

 今回の陳情によって、座席数が合っているごく一部のバスと1席の誤差があるバスのみが営業再開を認められ、残りの約9割のバスがこれまで通り営業停止にされています。

 なぜここまで厳しいのでしょうか。例えば、中国では中共ウイルス感染者1人が確認されると、そのコミュニティは、封鎖といった非常に厳しい措置が取られます。中共下ではこのように「連座制」がよく見られるのです。

 今回の件でこれらのバス自営業者はずっと仕事ができず、バスのローン、住宅ローン、生活費を抱えているため、仕方なく陳情しに行ったようです。しかし、中国で政府に陳情すると、逮捕される危険性があります。

(新時代Newsより転載)