タリバンの報道官は、「女性は働く権利を持ち続けることができる」と約束していたが、現実には女性キャスターが解雇され、多くの女性が「仕事に行くな」と言われ、地元の女性労働者の怒りを買った。これに対して、アフガニスタンの西部に位置するヘラート(Herat)市で2日、50人以上の女性が手作りの看板や横断幕を持って、働く権利を求めて街頭に出て、デモ活動を行った。首都のカブール中心部でも3日と4日、約20人の女性が街頭に出たが、タリバン戦闘員によって暴力的に排除された。
CNNの報道によると、アフガンの女性活動家たちは先週3回のデモを行い、4日には首都カブールでデモ行進を組織したが、大統領官邸に向かう途中でタリバン戦闘員に阻止された。タリバン戦闘員は拡声器を使って女性たちに、彼女らの訴えを上層部に伝えると強調したにも関わらず、群衆からの悲鳴や、女性たちが「殴られた」と叫ぶ声が聞こえてきた。
アフガニスタンの前政府職員のソラヤさんは4日、同僚たちと一緒に政府機関の前で抗議活動をしようとしたが、到着する前にタリバン戦闘員がスタンガンや催涙ガスを使用し、さらには弾倉で抗議者の頭を殴ったことを明らかにした。また、アフガニスタンの女性権利活動家であるナルジス・サダトさんの頭から血が流れている動画が、現地のソーシャルメディアで広く流された。彼女はタリバン戦闘員に殴られたのではないかと噂されている。
24歳のデモ参加者に電話でインタビューしたところ、タリバン戦闘員は催涙ガスやライフル銃の弾倉、金属棒を使って群衆を追い散らしていた。自分は意識を失うまで鋭利な金属で殴られ、頭を5針縫ったと明らかにした。
She participated in women's protests in Kabul today for equality. This is what the Taliban did to her.
The name of this Afghan women's rights activists is Narges Sadat
If the West recognises Taliban, it'll normalise such violence against Afghan women. Don't abandon Afghan women pic.twitter.com/iMGRemylcj
— Masih Alinejad 🏳️ (@AlinejadMasih) September 4, 2021
米軍が8月31日にアフガニスタンから完全撤退した後、タリバンは2日、新政府の樹立が完了に近づいていると発表した。世界は今、タリバンが、女性が就労・就学できるなど「包容的な政府」という対外的な約束を果たすかどうかを注視している。
しかし、情報筋によると、タリバンは現在、女性に家にいるように求めており、女性は働くなとまで命じられているという。アフガニスタンの女性活動家の中には、タリバンから脅迫を受けているため、今回のデモのために街頭に出ることを恐れており、さもなければ報復を受けるかもしれないと指摘する人もいた。
(翻訳・吉原木子)