国連児童基金(ユニセフ)は1日、COVAX(コバックス)が調達した300万回の中国製新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)ワクチンを北朝鮮が、拒絶したと明らかにした。北朝鮮当局は、これらのワクチンを感染状況がより深刻な国に送るべきだと主張しているが、韓国の関連部門は、北朝鮮は副反応を懸念するため中国製ワクチンを受け入れないとの見方を示していた。

 COVAXの報道官によると、北朝鮮の公衆衛生省は、ワクチンの供給が世界中で限られている一方、他の国での感染者数が急増しているため、もっと深刻な国に送るべきだということで、シノバック製ワクチンの受け入れを拒否した。

 しかし、韓国の国家情報院傘下の公式シンクタンク「国家安全保障戦略研究所」は7月、北朝鮮がワクチンの副反応を懸念して、ワクチンの受け入れを拒否し、ワクチンの種類変更の可能性を打診したことを明らかにした。同研究所はまた、北朝鮮当局が中国製ワクチンの有効性を懸念しているため、導入をためらっていると明らかにした。

 情報筋によると、今年5月、北朝鮮高官が中国製ワクチンを接種して死亡した。これが金正恩総書記の強い不満を引き起こして、中国製ワクチンを含む中国製の薬品の使用を禁止したという。

 北朝鮮当局は、予防措置が適切であるため、これまで1人も感染していないと主張してきたが、専門家らはその主張を疑っている。

 朝鮮中央通信社6月の報道によると、金正恩氏は朝鮮労働党中央委員会政治局会議で一部の幹部が防疫を怠慢していたと公に批判した。1つの「重大な事件」が「深刻な危機」をもたらし、全ての「防疫の努力」に悪影響を及ぼすと金正恩氏は述べた。報道は「重大な事件」の詳細を明らかにしなかったが、北朝鮮で感染が広がっているという推測を引き起こした。

(翻訳・吉原木子)