8月以降、中国の河北省と山西省で炭疽病の発生が相次いだ。8月に山東省濱州市でも2件の炭疽病が確認され、そのうち14歳の学生が死亡し、4700人以上の濃厚接触者がいたと、複数の中国メディアが9月1日に報じた。

 『中国疾病予防管理センター週刊(英語)』 8月27日に掲載された報告によると、山東省濱州市で、14歳の学生(患者A) と屠殺業に従事していた35歳の男性(患者B) の2名の炭疽病が確認された。学生は8月6日に死亡し、男性は感染症病院に移されて隔離されている。

 報告書によると、患者A は7月28日に突然、発熱、倦怠感、嘔吐、下痢、痙攣を発症し、当日の夜に劉廟村衛生院(クリニック相当)に搬送された。7月31日、同クリニックで点滴中に、突然の意識不明、破傷風、頸部強直を発症し、治療のために濱州医科大学付属病院に移送された。8月6日に死亡した。脳脊髄液、血清抗体、血液培養検査などから、死因は敗血症による腸管型炭疽または髄膜型炭疽と判断された。

 8月8日、患者B は山東省疾病予防管理センター(CDC)により皮膚炭疽病と確認された。男性は7月25日に患者Aの自宅で病気の牛を屠殺していた。

 山東省CDCによると、確認された2例の濃厚接触者に対して12日間の隔離措置が実施され、そのうち24人が自宅隔離、9人が集中隔離された。 8月24日まで、新たな症例は発見されておらず、濃厚接触者などに対して4700人以上が現地で予防薬を投与された。

(翻訳・徳永木里子)