中国の公式製造業購買担当者指数(PMI、注1)は、8月に2020年3月以来の低水準を記録し、5ヵ月連続で低下した。エコノミストの分析によると、8月のPMIデータは中国経済の継続的弱体化を裏付けているという。

 中国共産党統計局が8月31日に発表したデータによると、8月のPMIは50.1%に低下し、総生産高PMIは48.9%となり、前月比で3.5%低下し、臨界点を下回った。

 中国共産党当局は2018年1月から毎月「総生産高PMI」を発表し、当期の国家または地域全体の経済発展の景気状況と周期の変化を監視するために使用している。

 PMIはマクロ経済の先行指標(注2)と見なされており、50%以上であれば経済活動が活発であり、50%以下であれば経済活動が縮小していることを示す。

 調査対象となった企業の中には、コロナの流行や洪水の発生で、原材料の供給や製品の納品が滞っているために生産周期が延長され、それに伴う新規受注の減少などの影響を受けたとする企業もあった。中国エコノミストの李奇霖氏によると、8月のPMIデータは引き続き低下しており、これはコロナ感染の再発と防疫に関連しているという。

 注1:製造業購買担当者指数(PMI)は、製造業やサービス業の購買担当者を調査対象にした、企業の景況感を示す景気指標の一つである。「50」を景況感の分岐点としており、これを下回れば景況感が悪く、これを上回れば景況感が良いとされている。

 注2:先行指標は、景気の動向を示す各種の景気指標のうちで、全体としての景気変動に先行して変動する指標。景気の先行きを予測するのに適している。

(翻訳・徳永木里子)