2008年2月20日、アフガニスタンで緊急着陸したヘーゲル上院議員、バイデン上院議員、ケリー上院議員。 (写真:JOHN SILSON /米国国務省)

 今から13年前、バイデン氏を含む3人の上院議員(当時)が乗ったヘリコプターが吹雪に見舞われ、アフガニスタンの辺地にある渓谷に緊急着陸した。彼らを救った救助隊にはアフガン人通訳者、モハメド氏がいた。モハメド氏は8月31日、米軍撤退後もアフガニスタンに取り残されたままの状態で、米国政府に助けを求めるメッセージを送った。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、2008年、吹雪の中、3人の米国上院議員を乗せた米軍ブラックホーク・ヘリコプター2機がアフガニスタンに緊急着陸したとき、36歳だったモハメド氏は米軍の通訳として働いていたと記している。旧ブラックウォーターUSA社や米軍兵士からなるプライベート・セキュリティ・チームの一員として、第82空挺師団の即応部隊とともに山中に乗り込み、議員らを救出した。同氏はキャリアのほとんどを米軍兵士と過ごし、タリバンと100回以上の銃撃戦を経験した。

 8月30日に最後のアメリカ人がカブールを飛び立ったとき、飛行機に乗れなかったモハメド氏は、「ハロー、大統領。私と私の家族を救ってください」、タリバンへの恐れから、潜伏中のためフルネームを使わないでほしいと言いつつ、モハメド氏はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)にこう語った。「ここにいる私を忘れないで」

 8月15日にタリバンがカブールを制圧した後、 他の何千人もの人々と同じように、モハメド氏も運試しにカブール空港のゲートに行った。「入っていいよ、妻や子供は入れない」と言われた。

 現在、モハメド氏は身を隠しながら、自分を救出するよう米政府に呼びかけた。「家から出られない、とても怖い」と31日に述べた。

(翻訳・徳永木里子)