北京の画家、詩人、法輪功学習者の許那 (大紀元時報ホームページより)

 海外中国語メディア「大紀元時報」にコロナ感染状況の写真を提供したとして、11人の中国人が拘束されていることが明らかになった。ジャーナリスト保護委員会(CPJ)は24日、中国共産党(以下、中共)当局に11人の即時釈放を要請した。

 「大紀元時報」は、11人の中国市民からの(北京の封鎖に関連する)写真を受け取ったことを認めた、とCPJが明らかにした。匿名の情報提供者によると、今年4月25日、北京東城区検察庁は、新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)感染状況の制限措置に関する情報と写真を大紀元時報に送信したとして、11人を起訴した。11人は2020年7月に逮捕されて、1年以上拘置所で拘束されている。中国最高人民検察院によると、有罪判決となった場合、これらの11人は終身刑に直面する可能性がある。

 CPJアジアプロジェクトコーディネーターのスティーブン・バトラー氏は24日の声明で、「市民がロックダウンに関する写真などを新聞社へ投稿することを、中共は止めてはいけない。11人をただちに釈放し、すべての容疑を取り下げるべきだ」と述べた。

 同時に、「大紀元時報」のスポークスパーソンは「彼らの安全を非常に心配している」とし、報道の自由の侵害を非難するよう国際社会に呼びかけた。

 情報筋によると、11人はすべて法輪功学習者である。中共による法輪功迫害21周年記念日の前日でもある2020年7月19日、北京の警察官は何の予告もせず、13人の法輪功学習者を逮捕した。 そのうち、11人は「邪教組織を利用して法律の実施を破壊した罪」(国務院が定めた邪教組織には法輪功は含まれていない)で起訴された。それぞれ許那氏、李宗沢氏、鄭玉潔氏、李立鑫氏、鄭艶美氏、鄧静静氏、張任飛氏、劉強氏、孟慶霞氏、李佳軒氏、焦夢姣氏である。

 コロナが武漢で発生して以来、世界各地で急速に広がっている。中共当局は、死亡者数、武漢ウイルス研究所関連など、感染状況についての情報を厳しく管理し、自らに不利な情報を極力抑制している。関連情報を公開したすべての人々が、不法に逮捕され、有罪判決を宣告された。

 CPJは公式サイトを通じて北京市公安局に連絡したが、返答は得られなかった。現在、11人は北京東城拘置所に拘禁されている。

 CPJの最近の刑務所調査によると、2020年12月1日の時点で、少なくとも47人のジャーナリストが中国で投獄されたため、中国は2年連続で世界で最も多いジャーナリストの投獄国となっている。

(翻訳・徳永木里子)