中国共産党(以下、中共)は、予防接種が任意であると宣伝してきたが、地方政府は接種任務の指令を果たすために、民衆に強制的にワクチン接種を受けさせている。新学期(9月1日)が始まろうとしている今、当局は、子供を入学させるのに、保護者が予防接種を受けなければならないと要求し、接種禁忌証明書を取得できない場合は外出にも影響が出る。中国各地では、接種禁忌証明書を入手するために、未明から行列に並んでいた。

 中共当局が「今年10月末までに11億人のワクチン接種の目標を完了させること」と命じた後、中国各地では、「原則として、予防接種を受けていない人(接種禁忌者を除く)は、スーパー、病院、学校、駅、映画館などの公共施設に入ることはできない」という通知を出した。

 最近、中国各地で、接種禁忌診断書を提示すれば、接種が免除できるという規制が打ち出されている。しかし、当局による接種禁忌証明書の発行条件は非常に厳しく、一般人の取得はほぼ不可能だとの回答が多く寄せられている。接種を受けていない人は、勤め先からコミュニティーまでのあらゆるところから圧力をかけられ、学生の登校禁止や、給料の支給などにも連動されている。

 現在、吉林省では多くの地元住民が接種禁忌証明書をもらうために、朝早くから病院に並んでいるという。

 吉林省に住んでいる馬さんは、接種禁忌者の一人である。9月、馬さんの子供は小学校1年生になるが、学校側は同居している家族に予防接種を義務付けており、接種しない場合、子供の入学に影響が出るとしている。馬さんは今、接種禁忌証明書を取得するために苦労している。

 馬さんは24日から26日まで、毎日並んでいても受付番号を入手できなかった。「24日の午前7時過ぎに行ったが、他の人は午前3時過ぎに行った。当日は千人以上が並んでおり、駐車場にも人がいっぱいだった」

 遼寧省鞍山市の中央病院で、接種禁忌証明書を発行するために長蛇の列ができている動画がネット上に出回っている。また、ネットユーザーによる暴露した会話のスクリーンショットによると、予防接種に関する診断証明書は一切発行できないという病院の責任者の通知が出されている。「病院もこんな非倫理的なことをするのか、ひどい」とネットユーザーから非難された。

(翻訳・徳永木里子)