中国広東省広州市の投資者は15日、投資の返済を求めて同市にある恒大センタービルに集まった。弾圧しに来た警察官がペッパースプレーをかけ、投資者との衝突が発生した。多くの投資者が警察官に連れ去られた。

 ネットユーザーが投稿した動画によると、広州市の恒大センタービルで、一部の投資者が会議室を占拠している。警察官は、投資者を退去させるために会議室に入ろうとした。投資者は力ずくでドアを押し付け、警察官が入るのを防いだが、警察官はドアの隙間から会議室にペッパースプレーを噴射したため、会議室にいた投資者は激しく咳をし始めた。多くの人が目を覆ったり揉んだりしていた。ついに投資者は警察官の暴力に耐えられず、警察官はドアを開けて会議室に突入し、投資者と衝突した。その後、さらに多くの警察官が到着し、次々とビルに入り、2~3人の警察官が1人の投資者を押送していた。多くの投資者が逮捕された。

 恒大の内情を知っている李強さんが提供した情報によると、恒大集団の創業者、許家印氏の妻は恒大財富社の資産管理商品の2200万元(約3.74億円)を現金化したと、中国のメディアが報じた。また、恒大財富の杜亮社長は5月31日、自分が保有していた恒大の資産管理商品の990万元(約1.68億円)を現金化したことを明かした。その前に、許氏は「私は破産してもかまいませんが、恒大財富の投資者の皆さんを決して破産させません」と誓っていた。

 恒大財富社に関する一連の情報は、投資者の怒りを買った。投資者は投資金を取り戻すために、恒大集団の本社や各地の支社に押し寄せたが、地元の警察によって弾圧されている。現在、広東省深圳市にある恒大集団本社では、地元政府が多数の警察官を出動させ、現場を警備している。投資者は現在、建物に入ることができない状態になっているとされる。

(翻訳・徳永木里子)