ボレル外相(European Parliament from EU, CC BY 2.0 , via Wikimedia Commons)

 欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外相(欧州連合外務・安全保障政策上級代表)は22日、カブールがタリバンの手に落ち、国際的な撤退が混乱しているため、EUに5万人規模の遠征軍の結成を提案した。

 ボレル氏は22日のインタビューで、ヨーロッパ人に選択の余地はなく、世界に立ち向かうための組織を作り、アフガニスタンのような状況を繰り返さないために、EUに5万人の強力な遠征軍の結成を提案する。アフガニスタンはヨーロッパの危機感を呼び覚した。現在、アフガニスタンの将来に関わる問題、旧政府の代表者を含む様々な政治勢力の形成、国民統合政府への参加の可能性など、さらにはアフガニスタンの近隣諸国への支援について議論している、EU外相会議の立場を表明した。また、西側諸国の撤退が完了した後も、外交的努力を強化しなければならないと強調した。

 同様の見解を示したのは、ボレル氏だけではなかったという。 シャルル・ミシェル欧州理事会議長もかつて、ツイッターで、「EUの戦略的自治を推進しよう」と公に呼びかけた。

 タリバン政権が中国共産党やモスクワ当局に認められ、アフガニスタンにおける地政学的なパワーバランスが変化する可能性を前に、ボレル氏は「中国とロシアにアフガニスタンの状況をコントロールさせるわけにはいかない。アフガニスタンの将来に影響を与えられる国としては、すでにトルコ、ロシア、中国が見えている。これらの国が影響力を強める可能性がある。イラン、パキスタン、インドも重要であり、中央アジアはすでに新たな戦略的中心地となっている」と語った。

(翻訳・吉原木子)