浸水した湖北省随州市(YouTube動画のスクリーンショット)

 中国ではこのほど、水害が相次いで発生している。湖北省は11日から12日まで、暴雨に見舞われ、複数の市と村が浸水した。

 中国公式メディアによると、湖北省随州市(ずいしゅうし)は11日22時から12日8時まで、7回の暴雨赤色警報(注)、3回の橙色警報を発令した。降雨量は記録した8月の極値を更新。10の町の降雨量は100ミリ以上になり、そのうち柳林鎮の降雨量は300ミリを超えた。随州市は12日10時、洪水の橙色警報を発令した。柳林鎮では少なくとも4人が死亡した。

 柳林鎮では12日に洪水が発生し、断水と停電になり、随県環潭ダムは放水したと、中国メディア『澎湃新聞』は湖北省当局の情報を引用して報じた。

 柳林鎮の住民は同日に『希望の声』のインタビューで、以下のように語った。
「以前、水がゆっくりと入って来たが、今回は急速で一気に上がった。速すぎた。車や家屋、品物などそんなものは要らない。命が一番大切だ。深夜に警報が聞こえたから、二階に上がった」
「目が覚めていない人や、一階に住む人もいる。浸水は速すぎて、ドアを塞いだから開けられない。ここのスーパーには、何も残らず、すべての商品が洪水に流された。町の家屋や壁もすべて倒れ、人も流された。物を拾うために、命を落とした人もいた。これは残念だと思う。彼らは家電製品の商売をやっていたから、物を少しでも拾おうとした…。私の叔母さんが流されてしまった」
「ダム放水など知らされていない。当日は雨が普段より多かったというアナウンスしかない」

注:中国の警報は、青色(一般)、黄色(軽度)、橙色(重度)、赤色(特に重度)の4段階に分けられる。

(翻訳・徳永木里子)