(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国河南省の水害により、地下鉄や京広路トンネルは浸水し、無数の道路が冠水した。河南省自動車産業商会は11日、鄭州市の水害で合計40万台以上の車が遭難したと発表した。ネットユーザーは、鄭州市で一体何人が溺死したのかと疑問視している。死傷者のほか、農業生産も深刻な被害を受けた。

 鄭州市のメディア11日の報道によると、河南省自動車産業商会の推計では、同市では現在、災害により40万台以上の車が損傷しているという。河南省保険代理店は合計41.23万件の損害賠償請求を受け、推定98.04億元(約1671億円)の損失が出ている。損傷した自動車が全体の8%以上を占めるため、「遭難車両」が水害後の最も処理困難の1つになった。

 遭難車は、各トンネルや地下駐車場からいくつかの広い空き地に運び出された。ネットユーザーが投稿した動画では、ある空き地には約4,000台の遭難車が集められている様子が映っている。ネットユーザーからは、「そこは車の墓地だ。これらの車両の持ち主はどこだ?鄭州市ではいったい何人が死んだのか?」「河南省の友人がたくさんいる。友人の親戚が今回河南省の水害で亡くなった。しかし、会社や国家安全部の関係者から、口を慎むようにしなければ、職を失い、拘束されるぞと脅されている」などのコメントを残した。

 死傷者のほか、農業生産も深刻な被害を受けた。当局はこのほど、被災者に1畝(ムー、約667平方メートル)あたり50元(約750円)の補助金を与えると発表した。9日、河南省は「災害後の復興を加速するための記者会見」で発表した災害状況によると、9日の7時まで、7月の水害により、河南省の150県(市、地区)1,664村、合計1481.4万人が被災し、1620万畝(約1.08万平方キロメートル)の農作物が被害を受けた。

 中国財政部は7月27日、河南省に30億元(約500億円)を災害後の復興に充てることを発表した。 しかし、河南省で被災した186.9万人に対しては、1.2億元(約20億円)の一時的な支援しか計上されていなかった。

 「農家は夏の間、一生懸命に畑を耕してきたが、収穫の時期になると暴風雨で作物がすべてダメになり、家族の唯一の収入源が断たれてしまったのだ。土地1ムーあたり50元という国の補助金は本当に少なすぎる」と苦情を訴えたネットユーザーがいた。

(翻訳・徳永木里子)