Diana Mickeviciene 大使(Embassy of the Republic of Lithuaniaホームページより)

 リトアニアと中国が台湾をめぐって、外交問題で揉めている際、北京に到着したばかりのリトアニアの駐中国大使、Diana Mickeviciene(音訳:ダイアナ・ミックヴィチェネ)氏は、「一刻も早くリトアニアに戻るように」との「退去通知」を受けた。

 ミックヴィチェネ氏は11日夜、フランス通信社に対し、「私は北京に到着したばかりで、退去を求められていると告げられた。中国に到着したすべての旅行者と同様に、現在、21日間の強制隔離を受けている。隔離が終わったら、すぐに帰国する」と述べた。

 中国外交部が10日に、駐リトアニア大使の召還を発表した後、現任の大使である申知非氏は11日、「さよなら!リトアニア」とツイートした。しかし、現在、帰国したかどうかは不明である。

 中国政府の意見を代弁する国際ニュース紙、「環球時報」の胡錫進(フー・シーチン)編集長は8月10日、中国最大のソーシャルメディア新浪微博(ウェイボー)でバルト三国のひとつ、リトアニア政府を激しく攻撃し、環球時報のウェブサイトに掲載した社説でも攻撃を繰り返した。リトアニアのことを「頭のおかしな小さな国で、地政学的な危険に満ちている」と評し、リトアニアが米国の側につき、中国と敵対していると非難した。さらに「ヨーロッパの反中国派のなかでも、最も踏み込んだ行動に出た」と書いた。

 台湾の駐米代表である蕭美琴氏はツイッターで、「この『頭のおかしな小さな国 』は、自由を愛する国であり、他のEU諸国がしているように、台湾にオフィスを開設しているだけだ。小さな国は、巨大な悪質ボスよりも勇敢で、信念を持ち、尊敬される存在である」と胡氏に反論した。

(翻訳・吉原木子)