(ウイグル人権問題に関するオンライン公聴会の生放送のスクリーンショット)

 中華民国(台湾)の立法院で7月30日、初めてウイグル人権問題に関するオンライン公聴会が開かれ、新疆ウイグル自治区の強制収容所で迫害を受けたウイグル人の2人の生還者が出席し、自らの体験を語った。

 ラジオ・フリー・アジア(RFA)2日の報道によると、中華民国立法院の人権促進会は7月30日夜、台湾初の「ウイグル人権問題に関する国際オンライン公聴会」を開催した。米国、カナダ、英国、欧州議会のウイグル人権問題に関心を持つ人権活動家らが参加した。ウイグル人のムレトダウド氏と、ウイグル人とカザフ人の血を引くオムル・ベカリ氏が公聴会に出席し、新疆強制収容所での体験を語った。

 オムル・ベカリ氏は収容所で3ヶ月間、鎖で手足を縛られた状態で拷問を受けた様子を再現した。8ヶ月近く監禁され、125キロあった体重が60キロぐらいにまで落ちたという。

 ベカリ氏によると、毎週16歳の若者から80代の年配者まで、同じような捏造の罪で収容所に入れられた。「国家安全に危害を加える疑い、テロリストを扇動する疑い、テロを組織する疑いなどの罪を着せられ、殴打・拷問・脅迫などを受け、ほとんど食事をさせてもらえなかった。食べ物は1つの饅頭(マントウ)、野菜スープとお湯だけだった」

 また、同氏がいた収容所では3,000人が1つの区画に入れられ、計4つの区画があり、同氏はかつて幅1~2メートルの独房に収容されていた。他に教師や弁護士、ホテルのオーナーなども収容された。同氏は2人が殴られて死亡し、腸がこぼれ落ちていたところを目にした。「私が証言した後、父親が収容所で殺された。彼は国家機関を定年退職した幹部であった」

 もう一人の証言者ムレトダウド氏は、ウルムチ市で育ち、中国共産党当局が2016年から現地でウイグル人の大量逮捕と判決を始めた後、2018年3月11日に理由もなく警察署に連行された。

 ムレトダウド氏は、収容所での生活について次のように述べた。「薬を飲まされた。15日間に1回注射を受け、採血もされた。どんな薬を飲まされたのかわからない。薬を飲んだ後は、頭が鈍くなって元気がなくなった。62日間拘束されていた後、不妊手術を強いられて釈放された」

 同氏が釈放されたのは、パキスタン系の夫が外交ルートを使って彼女を救出したからであった。「国連の聴聞会に参加している間に、中国の警察署から電話がかかってきて、父親や兄、多くの親戚や友人を逮捕したと警告された。その12日後、父親は殺され、警察署で死んだ」

(翻訳・徳永木里子)