舒立法氏の妻(大纪元より)

 中国では強制退去による流血事件がまたもや発生した。湖北省武漢市で、「四美塘」旧市街の改修工事現場を視察していた政府関係者が、強制退去させられた住民の舒立法氏に刺され、2人死亡・1人重傷となった。その後、舒氏は警察に逮捕され、「故意殺人罪」の疑いで拘留された。

 メディアの報道によると、武漢市住民の舒立法氏(65歳、男性)は、父から所有権のある家屋を相続したが、当局に強制的に取り壊されたという。同氏は、解決策がないまま半年以上も、家の廃墟で妻と暮らしていた。同氏は12日、政府関係者ともめて、暴力を振るわれた。怒りのあまり家に戻ってナイフを取り、関連当局者らを刺し、2人死亡・1人重傷となった。

舒氏家の廃墟(動画のスクリーンショット)

 今回の殺害事件の死者は、武漢市武昌区旧市街改修項目担当の職員である熊子平氏、濱江商務区(強制退去を実行する部門の上級機関)の主任である孫羿氏の秘書。孫羿氏は重傷を負ったという。舒氏は現在、武昌区拘置所に拘留されている。

 事件後、武昌区公安局と徐家棚派出所は、事件の写真や動画が公開されることを防ぐために、当時現場にいた舒氏、張氏、近隣住民の一部の人の携帯電話を強制的に押収した。

(翻訳・徳永木里子)