英情報局保安局のケン・マッカラム長官(MI5 より)

 英情報局保安局(MI5、軍情報部第5課 )のケン・マッカラム長官は13日、「テロに対処するように、特に中国共産党(以下、中共)とロシアからのスパイの脅威に用心すべきだ」と国民に警告した。外国のスパイが英国の技術を盗み、トラブルを起こし、英国のインフラを攻撃しようとしていると指摘した。

 マッカラム氏は、MI5本部で行われた年次脅威報告書の発表会で、英国の諜報機関は、外国スパイが一般の英国人を操る方法を、すでに1万種類把握していると述べた。外国のスパイ行為がもたらす影響は、「生活のトラブル、場合によっては命を失うこともある」と警告した。

 ロイター通信によると、英国の諜報員は、中共とロシアが商業上の機密データや知的財産の窃盗、政治への干渉、誤った情報の拡散などを狙っていると考えている。MI5は以前、過去5年間で1万人の英国人がリンクトインで、偽装アカウントに狙われたと発表した。昨年12月、英国の日曜版大衆紙「メール・オン・サンデー」は中共党員195万人のリストを入手した。同リストに載っている党員は、7.9万以上の機関に配置されている。

 元英国外交官で中国専門家のマシュー・ヘンダーソン氏は、これは中国(中共)がいかに英国の機関に浸透しているかを示すさらなる証拠であり、中共が民主主義を転覆させ、西側諸国を追い越すために、英米の間で突破口を見出そうとしている中、「我々はオオカミと踊っているのだ(危険なオオカミを相手にしている喩え)」と指摘した。

(翻訳・徳永木里子)