「中国航天」のトップ・理事長兼共産党書記・張陶(ネット写真)

 7月4日、中共の中国航天投資控股株式会社、以下は「中国航天」と略称します。「中国航天」のトップ・理事長兼共産党書記・張陶が人を殴っている動画がネット上にアップロードされました。中国のことを少しでも詳しい人なら、誰もが知っていると思いますが、中国では、官職の肩書を持っている人は、往々に勢力を以てのさばりますが、被害者が命をかけて共産党幹部を殺害することもよくあります。今日は共産党書記が人を加害し、被害者が自ら共産党幹部を殺害する社会現象について話します。

 「中国航天」の張陶書記は、約1ケ月前の6月6日夜、国際宇航科学院の院士二人呉美蓉氏と王晋年氏を招いてごちそうしました。呉美蓉氏は85歳の女性で、王晋年氏は55歳の男性です。食事中、張陶書記は院士達に、自分も院士になるように推薦してもらいたいと表明しましたが、二人の院士に婉曲に断れました。断れた張陶書記はカンカンと怒り、食事が終わって、食卓を離れた後、院士二人を殴り始めました。動画から見れば、エレベーターの前で、張陶書記が王晋年氏を蹴ったり、殴ったりし、王晋年氏がエレベーターに入っても、王氏を引っ張り出して殴り続き、王氏が倒れて動けなくなっていても、王氏を殴っていました。男性二人が張氏を止めようとしても、止められなかったです。

 呉美蓉氏は殴られて脊椎が骨折し、王晋年氏は肋骨が骨折し、二人とも、全身に多発性の靭帯損害が発生したため、入院して治療しなければならなくなりました。張陶書記の背景を見れば、彼の親戚や友人には中共の高級幹部が多いです。彼の祖父・張宗遜は中共解放軍の元副総参謀長・元総兵站部の部長であり、叔父・張又侠は現任の中共中央軍事委員会の副主席です。また、現任の広東省、湖南省、黒竜江省の書記はみんな張陶書記の昔の同僚です。だから、張陶書記は権勢を持っている人です。張陶書記は、王氏を殴りながら、「俺は院士になりたいだ、俺には使いきれないほどのお金がある。俺はお前たちを殺してしまう」と叫んだそうです。

 共産党書記が人を殴った事件は中国ではブロックされていますが、海外のメディアには注目されています。アメリカのCNNの評論家は、中共はいつも技術革新や創造などを強調していますが、そのためにはトップの科学者は「国宝」となるはずだが、中共書記は彼らを蹂躪しているとコメントをしました。インターネットでは習近平が7月1日に外国勢力が中国を攻撃ようとすれば、必ず頭が割られ、血まみれになると話したが、共産党書記を抑圧する人は、直ちに「頭が割られ、血まみれになる」になるのかとコメントをする人もいました。

 しかし、中共は共産党書記が科学者を蹂躙していると思ってないでしょう。中国の法律によれば、張陶書記は人を殴って負傷させたため、故意傷害の罪で刑事責任を取らなければならないですが、実際には刑事責任が追及されてありません。6月6日発生した事件が、約1ケ月後に公開され、しかも、張陶書記は酔っぱらったため人を殴ったと、過失による傷害事件として、停職の処罰を受けただけです。しかし、インターネットの情報によれば、実際には、張陶書記は一日も休むことなく、正常に出勤していたようです。張陶書記のような中共幹部は多いです。中国では、昔から知識人は伝統文化と伝統思想の継承者であり、最も本分を守り、当局者や社会の不正の気風に対してまっすぐに批判する人ですが、現在の知識人は、張陶書記のような人が混入しているため、すでに中共の統治工具となっています。一部の本物の知識人は、中共に抑圧されています。このような知識人のほとんどは、怒りをこらえて何も言わずじっと我慢していますが、命をかけて抵抗する人もいます。

復旦大学数学科学学院の王永珍書記(ネット写真)

 6月7日中国上海市の復旦大学で殺人事件が発生しました。加害者は数学科学学院の39歳の教員姜文華氏で、被害者は同学院の48歳の共産党書記・王永珍氏です。インターネットで掲載された動画から見れば、姜文華氏は殺人後逃げなく、現場で警察に拘束されました。血まみれになって、破れてぼろぼろになった服を着ている姜氏は、殺人動機について、「長い間彼に陥れ、不公平に待遇された」とむせびながら警察の質問に答えました。姜文華氏は王永珍氏の事務所で、ナイフで王永珍氏の首を切って殺害しました。姜文華氏の話によれば、ナイフはオンラインショップで購入したもので、殺人現場には第三者がいなかったので、殺人は一時の衝動ではなく、計画的なことだと思います。

 姜文華氏は2004年復旦大学数学部を卒業後アメリカに留学し、2009年ラトガース大学統計学博士号を取り、そのあと米国国立衛生研究所の研究機構とジョンソン・ホーキンス大学で特別研究員として2年間研究を続き、2012年帰国して、蘇州大学で助教授として研究を続き、2016年9月復旦大学に転職しました。現在、中国の大学は契約教員制度があります。新規採用者は、契約教員として数年間働く、契約期間の実績に基づいて、正規教員として雇用される。姜氏は3年間の契約期間内の実績が不合格だったため、正規教員として雇用されなかったです。契約をさらに二回(毎回一年)更新し、今年6月7日殺人事件が発生するときには、2回目の契約がまだ終わってないから、雇用されるか、されないかは、まだ結果は出ませんでした。

 王書記は1994年蘭州大学の化学部を卒業した後、復旦大学大学院に入学し、1997年化学専門の修士号を取った後、復旦大学に就職して、仕事の傍ら復旦大学の管理学院産業経済学専門の博士課程を勉強していました。2018年から数学学院の共産党書記を担当しました。加害者姜氏は、殺人動機について、「長い間王永珍氏に陥れ、不公平に待遇された」と言いましたが、どのようにいじめられたのかについては具体的に話しません。しかし、姜文華氏の母親を名乗る人が、姜氏の論文が王書記に盗用され、王書記は権勢を以て姜氏をいじめたという記事をインターネット上で公開しました。また、復旦大学の女性学生任奕怡氏の母親を名乗る人は、王書記は、大学の名義で、病院の診断や家族の同意なしに娘を精神病院に送って監禁したため、娘は精神的虐待に耐えられなく自殺したとの記事をインターネット上で公開しました。復旦大学側は王書記と姜氏は共著論文を発表したことがなく、王書記が姜氏の論文を窃盗したことがないと表明しましたが、王氏が勉強している博士課程の経済学は数学、特に統計学と関係はあるでしょう。論文を窃盗してないという言い方には信憑性はありません。

 復旦大学側は王書記はいい人で、姜氏は悪者として報道し、王書記の家族に寄付することを呼びかけていますが、民間では圧倒的に姜氏を支持し、姜氏の家族に寄付することを呼びかけています。王書記と姜氏の間にはどんなトラブルがあったか我々は確認することができないため、良し悪しをコメントすることはできません。ただし、どんなトラブルがあっても、誰が正しいか、誰が間違ったかはともかく、殺人はしてはいけません。二人で解決できないトラブルがあれば、裁判を通じて解決するべきで、いかなる理由でも殺人してはいけません。残念ながら、現在の中国では裁判所からの公平な裁判結果は期待できないです。裁判所は共産党の統治工具だから、裁判所に訴訟すれば、共産党書記が勝つのは決まっています。そこで、いじめられたと思いう人は裁判など正常な手段を取らなく、相手を殺すことで問題を解決するのです。現在の中国では、このようなことは毎日のほど発生しています。7月5日、上海市政設計院でも帰国した博士がナイフで所長の首を切った殺人事件が発生しました。民間での情報によれば、殺人原因は復旦大学の事件と似て、積もり重なった恨みで、契約が満期になっても、正規職員として雇用されないため、エレベーターの中で、所長の首を切ったのです。

 祖国のために何かやろうと海外から帰国した学者がいじめられることは、昔からずっと存在しています。私の知り合いにもこのような人がいます。帰国してから2年後、また日本に戻ってきて、7万円の奨学金をもらって、元の指導教官の下で研究を続ける人がいました。海外から帰国した学者は、みんな高いレベルの学位を持っており、民主国家の文明を学んだため、いじめられても暴力でやり返してありませんが、現在は、我慢できなく、暴力でやり返すのです。

 事件発生後、民衆は圧倒的に加害者を同情します。原因はともかく、誰が正しいか、誰が間違ったかはともかく、無条件に加害者を同情します。中国民衆のこのようなやりかたは、この事件に自体に対するものではなく、共産党に対する不満です。被害者は加害者にいじめられて、窮地に陥ったため、中共幹部を殺したと信じています。中共幹部が権勢を以て人をいじめることは、ごく普通に存在するのは確かです。今日の冒頭で話した「中国航天」の中共書記張陶氏が普通の人を暴力をかけようなことは、中国ではごく普通に存在しています。ただし、ほとんどは隠蔽されて報道しないため、関係者以外の人は知らないだけです。「中国航天」の張陶書記が院士を殴った事件も、張陶書記の叔父である中共軍委会副主席張又侠により隠蔽されたため報道しなかったそうです。最近、報道されたのは内部闘争により公開されたと言われています。中共が崩壊しない限り、このようなことは亡くなることなく、中共幹部が殺害される事件は、今後ますます多くなるでしょう。

(李真実チャンネルより転載)