ジョブネル・モイーズ大統領(twitter.com/moisejovenelより)

 カリブ海の島国ハイチのジョブネル・モイーズ大統領が暗殺された事件について、ハイチ当局関係者は8日、警察が首謀者を追跡中だと述べた。モイーズ大統領が生前に、数回中国共産党(以下、中共)との交流を拒否したことが、注目されている。

 米メディア「ブライトバート・ニュース・ネットワーク」によると、混迷していた2015年の選挙で、モイーズ氏がミシェル・マテリ元大統領に代わって、臨時大統領になった。

 ハイチでは大統領の任期終了をめぐって、与野党が対立していた。モイーズ大統領は自身の任期が2022年2月まで残っていると主張しているが、野党側は今年2月で任期切れだと抗議し、モイーズ大統領を独裁者と称した。

 新唐人テレビの報道によると、野党の反対に直面するほか、モイーズ大統領はハイチのビジネス界のトップらから、中共との往来を迫られていた。

 ハイチは世界で数少ない中華民国(台湾)と、国交樹立している国の一つである。モイーズ大統領は、2018年に台湾を訪問した。訪問のわずか数週間前、同じくカリブ海の国ドミニカ共和国は、高い利益がある中共との貿易取引と引き換えに、台湾と国交断絶した。中共当局関係者は2019年に、ハイチに「無利息貸付」を提案したが、モイーズ大統領は受け入れなかったと明かした。

(翻訳・北条)