ドイツの首席人権担当官であるバーベル・コフラー博士(イメージ:baerbel-kofler.de/CC0 1.0

 ドイツの人権担当官らが新疆の視察を要求したところ、中国当局はこれを拒否した。ドイツの人権担当官らは、ウイグル族が自身の信仰と生き方を放棄するよう強制されているのみならず、拷問や洗脳を受けている点を指摘し、その証拠となる「ウイグル族強制収容所」の実態調査を計画していた。

ウイグル族に大規模な迫害が行われている

 「新疆では百万人以上のウイグル人が強制収容所に収容されているというレポートを読み、私は大変なショックを受けています」
ドイツの首席人権担当官であるバーベル・コフラー博士は、サウスチャイナモーニングポスト紙でこのように自身の衝撃を語った。彼女はまた、ドイツは中国当局に新疆への立ち入りを要求し続けると付け加えた。

 中国共産党は以前から、「強制収容センター」は単なる職業訓練センターであり、ウイグル人は職を得て快適な生活を送るために必要な技能を授けられていると主張してきた。しかし新疆出身者の説明によると、何百万人もの人々が刑務所のような場所に収容され、共産主義を宗教よりも上位に位置するイデオロギーとして受け入れよう強制されているという。

 ウイグルの男性はあごひげを剃るよう強制され、モスクは破壊された。また伝統的なアラビア語で祈りを唱えることすらも禁止された。中国を脱出し、現在米国に定住しているウイグル人女性の一人、ミヒルグル・トゥルサン氏は、米国議会で、「強制収容センター」の恐ろしい状況について証言した。彼女が収容されていた期間中、実際に何人かの拘留者が死亡したという。

 さらに衝撃的なのは、中国共産党がウイグル人から「臓器を採取している」という噂だ。この噂は、新疆にあるカシュガル空港の「優先レーン」の写真が中国のSNSで出回ったことをきっかけに広がり始めた。この「優先通路」には、「特別旅客、人間の臓器輸出レーン」と書かれていたのだ。この「優先通路」の存在は日本人観光者によって確認された。

浮かび上がる「法輪功迫害」との類似点

 ウイグル人に対する迫害は、中国共産党による法輪功の迫害といくつかの類似点がみられる。

 ウイグル人と同様、何万人もの法輪功学習者が刑務所に入れられ、現在でも拷問を受け続けているという。また中国共産党は学習者たちの臓器を摘出しているという。

 「大規模な拘束、拷問、臓器狩り」、これは中国共産党政権が自国の国民に対する迫害の流れだろう。

(翻訳・今野秀樹)

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