ウクライナ外務省(Alexander Noskin, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

 ウクライナは、中共からウクライナへの中国製ワクチンの出荷を停止するとの脅迫を受け、国連での新疆人権調査を求める44カ国の共同声明から参加を撤回しました。

 これについて米AP通信は25日、欧米外交官の話として、その経緯を報道しました。

 カナダの国連大使は22日、英国、フランス、ドイツ、日本、米国など44カ国を代表して、国連人権理事会で共同声明を読み上げました。その声明では、中国当局に対して、新疆ウイグル人が違法に拘束されていることを調査するために、国連人権高等弁務官など独立調査員をすぐにでも現地に入らせるよう求めました。ウクライナはこの共同声明に署名していました。

 同報道によると、欧米外交官2人は、「ウクライナは24日、中国当局から、ウクライナの首都キエフへ予定されている少なくとも50万回分の中国製ワクチンの出荷を阻止するとの警告を受けた後、宣言を支持する国のリストから名前を撤回した」と吐露しました。 同外交官たちは、公の場で話す権限がないため、匿名を条件に話したといいます。 ウクライナは、190万回分の中国シノバック製ワクチンの購入に合意しました。 5月初め、ウクライナの保健大臣は、中国から120万回分のワクチンを受け取ったと発表しました。

 中国政府は過去にも、ジュネーブ外交圏や多国の首都で現地の政府に対して、中国が発表する声明を支持するか、中国の人権を批判、疑問視、調査しようとする声明を支持しないように圧力をかけたこともあると報じました。 しかし、今回のウクライナに対する中国の圧力については、2人の外交官は、人権に対して国際社会からの批判に対する北京の強い抵抗を示していると指摘し、人権に対する国際の注目度を下げるために、「今度は人々の健康や命を犠牲にしてでも 」という決意だと述べました。

 そのうちの1人の外交官は、これは中国の「上半身裸」の外交、すなわち隠すこともなく堂々と行っていると述べました。 もう一人の外交官は、「キエフに大きな圧力がかかっているという報告」を例に挙げ、「代表団は昨夜、撤退する必要があると言ってきた」と付け加えました。

 しかし、この状況は最後までまだわかりません。 47カ国で構成される国連人権理事会の慣行では、各国は会期終了後2週間以内に声明や決議に名前を加えることができます。 現在の約3週間半にわたる第47回会合は21日に始まり、7月13日まで続く予定です。

(新時代Newsより転載)