中国の台山原子力発電所(EDF Energy, Attribution, via Wikimedia Commons)

 米CNNは14日、中国側と協力して台山原子力発電所の建設・運営に携わっていたフランスのフラマトム社が3日と8日に、2度に渡って米政府に緊急書簡を送ったことを明らかにした。書簡には、中国の台山原子力発電所が「核放射能の脅威が差し迫っている」として、米エネルギー省に技術支援を要請したと書かれていた。

 フラマトム社は、5月下旬に米エネルギー省に台山原子力発電所に潜在的な問題があること、6月上旬に原子炉が核分裂に起因する希ガスが漏れていることを米国に伝えた。そのため、フラマトム社が米国の核漏洩対策技術を中国に提供することに同意するよう正式に要請した。

 台山原子力発電所は、人口密度の高い中国広東省台山市赤渓鎮に位置し、香港やマカオからそれぞれわずか130キロと67キロしか離れていないため、安全性がずっと問題視されている。フラマトム社によると、中国共産党政権は漏えい後にも稼働し続けられるため、原子力発電所の外部放射線量の安全基準の上限を当初の基準の2倍に引き上げたという。

 台山原子力発電所は、2018年に稼働して以来、工事品質と核漏れの事故が何度も発生していると噂されている。中国国家核安全局は当時、台山原子力発電所1号機の圧力容器上蓋に炭素含有量が上限基準に超えいたことを認めた。中国核工業部の元核物理学者である黄慈萍氏は、圧力容器上蓋の炭素含有量を超えると、想像を絶するような爆発を引き起こし、悲惨な結果を招く可能性があると述べた。「本来脆い高炭素鋼が爆発してしまうのだから、それは大変なことだ。彼ら(中国共産党政権)は、人々をなだめるために、指標はまだ正常であるとアピールしている。しかし、これはゆっくりゆっくりと漏れているという単純な問題ではなく、爆発する可能性が非常に高い問題である」

(翻訳・吉原木子)