トランプ前大統領(Gage Skidmore CC BY-SA 2.0 via flickr)

 米メディア「National file」の7日の報道によると、トランプ氏は7日、FOXビジネスの番組に出演し、「ビットコインが世界に出回ってはいけないと思う」と苦言を呈し、さらに連邦政府は仮想通貨を「非常に厳しく」規制して、米ドルと競合することがないようにすべきだと提言しました。

 トランプ氏は同番組で「ビットコインは詐欺のようだ」と指摘し、また「驚いた。私たちの時はもっと安くて6,000ドル(約66万円)だった。ドルと競合する通貨であるため、私は好きではない。本質から言うと、ドルと競合する通貨である。私は、ドルが世界通貨であってほしいと思っている。それが私の常套句だ」と述べました。

 さらに「世界中のビットコインをすべて世の中に出すべきではないと思う。そのようなものが出回っていると、何が起こるかというと、本当に何かを失うことになり、ドルやドルの重要性が失われてしまう」と語り、連邦政府は仮想通貨を「非常に、非常に厳しく」規制すべきだと提言しました。

 仮想通貨について、トランプ氏は在任中の2019年に、「規制されていない仮想通貨は、麻薬取引などの違法行為を助長する可能性がある」とツイートし警告したことがあります。

 トランプ氏の心配が的中したようです。先月、 米国で石油製品のパイプラインを運営する最大手のコロニアル・パイプライン(Colonial Pipeline)社は、米国史上最も壊滅的なサイバー攻撃を受けた後、アクセス権を回復するためにハッカーに身代金440万ドル(約4億8000万円)相当のビットコインを支払いました。今回のサイバー攻撃によってパイプラインの操業が停止し、米南東部でのガソリン供給に大規模な混乱が生じました。

 米司法省は7日、FBIがランサムウェアで同社が支払った75ビットコイン(440万ドル相当)のうち63.7ビットコインの回収に成功したと発表しました。またFBIは、この身代金の大部分を受け取ったビットコインウォレットを解除するための秘密鍵を持っており、 この鍵をFBIがどのようにして入手したのかは明かされていません。

 現在、ランサムウェアによる被害が世界的に増大しており、仮想通貨に対し世界で警戒が高まっているようです。

 中共が推進するデジタル人民元は、インフラ構想「一帯一路」の参加国を中心とした新たな経済圏を形成し、現在のドルベースの通貨システムや国際秩序を損なう可能性があるなど、多くの懸念が寄せられています。

 デジタル人民元の経済圏が形成されれば、欧米諸国が米ドルなど主要通貨での取引を禁止するといった制裁措置は無効になります。

 この問題に対して、ロンドンで4日から行われた米国を中心とする主要7か国(G7)の財務大臣会合では、デジタル通貨の発行ルールを策定することを決定し、年内に発表される予定です。

(新時代Newsより転載)