ニューヨークの国連ビル前で抗議するウイグル人。(SFT HQ (Students for a Free Tibet), CC BY 2.0, via Wikimedia Commons)

 ラジオ・フリー・アジア(RFA)の3日付の報道によると、AP通信は3日、中国から逃れてきたウイグル人3人にインタビューし、彼らの証言を引用して、中国政府が新疆ウイグル自治区の一部のイスラム教徒に対して中絶を強制的に行ったり、拷問していたりしたと報じました 

 (1人目)4人の母親であるBumeryem RoziさんはAP通信に、2007年に新疆ウイグル自治区政府が彼女を含む多くの妊婦を強制連行し、彼女の5人目の子どもを強制的に中絶させたと明かしました。Roziさんは家族が危険にさらされることを恐れ、それに従ったといいます。「最初に薬を渡されて、それを飲めと言われ、飲んだ。何の薬かわからなかった」「30分後にはお腹に針を刺された。しばらくして、私は子どもを失った」ロージさんの末っ子は2015年、13歳のときに当局に拘束されて以来、いまだ解放されていないそうです。

 (2人目)1990年代に新疆ウイグル自治区の村の病院で働いていた産婦人科医のSemsinur Gafurさんは当時、一軒一軒回って妊娠している人がいないかを確認し、もし許可された出生数を超えて妊娠している人がいれば、当局によりその人の家が取り壊されると語りました。

  3人目)2010年に投獄され、拷問を受けたMahmut Tevekkulさんは、兄弟の一人がアラビア語で宗教書を出版したとして指名手配されていたため、当局に明け方まで尋問され、殴られたと語っています。 

 同記事は、この3人のウイグル人は4日に開廷される英国の独立法廷である「ウイグル法廷 (Uyghur Tribunal)」 で証言するといいます。 同法廷は、中国が新疆でジェノサイドを犯したかどうかを調査するために、昨年設置されました。 

 同法廷について、中国外交部の報道官は3日、北京での記者会見で、「法的にも信用できず、一握りの人々が作り上げた反中の茶番劇に過ぎない」と述べ、新疆での人権侵害を全否定しました。 

 中国当局が発表した統計年鑑によると、新疆ウイグル自治区の人口増加は2017年に急激に減少し始めました。201719年にかけて、新疆の出生率は約50%減少し、その減少幅は全国平均を大きく上回っています。 

 一部の研究者らは、新疆での出生数の減少は、中共当局による少数派イスラム教徒への政治的抑圧によるものだと指摘しています。

(新時代Newsより転載)