NASAの小型ヘリコプター(イメージ:NASA/JPL-Caltech)

 米航空宇宙局(NASA)は25日(米東時間の午前10時16分)、 火星での超軽量小型ヘリコプター「インジェニュイティ(Ingenuity)」3度目の飛行に成功したデータと画像を受信した。今回の飛行は飛行速度と距離を突破し、以前の2回に比べて、より速く、遠く、大胆で、地球上でのテストで実証された能力を完全に超えていたという。

 今回の飛行高度は、火星表面から約16フィート(5メートル)の高さまで、2回目の飛行と同じ高度に達したが、速度は上がった。前回の飛行速度が時速1.1マイル(秒速0.5メートル)であったのに対し、今回は時速4.5マイル(秒速2メートル)まで上昇した。北へ164フィート(50メートル)、サッカー場の半分ほどの長さを飛行し、約80秒で着陸地点に戻った。これまでで最長の飛行であり、総飛行距離は約330フィート(100メートル)であった。

 NASAジェット推進実験室(JPL)の「インジェニュイティ」のチーフパイロットであるホーバード・グリップ氏は声明の中で、距離が長くないようだが、地球上の真空室テストで、横方向に移動した距離は鉛筆2本分の長さを超えたことはなかったと述べた。2回目の飛行では、すばらしいデータを得られたが、横飛行の長さは4メートルしかなかった。そのため、3度目の飛行は大きく進歩した。「インジェニュイティ」は空での自由を体験し始めることになるのだろう。

(翻訳・藍彧)