メディアの取材中の閻麗夢氏(イメージ:YouTube動画のスクリーンショット)

 米国在住の中国ウイルス学者、閻(閆)麗夢博士は3月31日に発表した第3弾科学報告書で、新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)を中国共産党(以下、中共)政権が開発した生物兵器であると主張した。同論点はWHOの最近の調査結果とは全く逆である。

 閻博士の3万字、68ページに及ぶ最新報告書のタイトルは、「The Wuhan Laboratory Origin of SARS-CoV-2 and the Validity of the Yan Reports Are Further Proved by the Failure of Two Uninvited “Peer Reviews”(意訳:招かれざる2つの『ピア・レビュー(同業者の査読)』の失敗で、新型コロナウイルスの起源が武漢実験室にあることや閻氏報告書の信憑性がより裏付けられた)」である。

 報告書によると、閻博士は、2019年12月31日と2020年1月16日の間に2回にわたって、中国国内の研究機関、中国疾病対策予防センター(CDC)、及び中共軍の研究機関や病院の同業関係者に連絡を取り、新型コロナウイルスの発生源や感染状況に関する詳細な情報を入手したという。

 同報告書によると、新型コロナウイルスは、中共軍の生物兵器専門家の最新理論に基づいて製造した生物兵器であるという。同ウイルスは動物ではなく、ヒトにしか感染しないように設計されているため、中共軍は動物を使った実験を行うことができなかった。中共軍が同ウイルスを使って中国国内の住民に対して小規模な人体実験を行ったところ、ウイルスの拡散を効果的にコントロールできず、パンデミックを引き起こしてしまった。その後、中共政権は、武漢市民の国内での移動を禁止し、他国への渡航を認めるという措置をとった。同措置はすぐにパンデミック(世界的な大流行)を引き起こした。

 同報告書によると、ウイルスのパンデミックが始まってから、中共と長期的な協力関係を築いた欧米諸国の専門家、学術団体、学術誌、メディアが続々と登場し、中共のために真相を隠蔽してきたという。

 真相を暴くために、閻博士は2020年9月と10月に2つの報告書を発表した。一つ目は大量な証拠を示して、なぜ新型コロナウイルスが実験室で作られたものなのかを分析し、実験室からどのように持ち出されたのかについて言及した。2つ目は、ウイルスにまつわる大規模な組織的科学的不正行為、及び新型コロナウイルスを人工的に作り出すための技術的プロセスを暴露した。

 閻博士によると、最初の報告書が発表されてから10日間以内に、「ピア・レビュー」と自称する学界の2つの記事が彼女の報告書を攻撃したという。1つ目は、ジョンズ・ホプキンス大学健康安全保障センターの科学者ジジ・グロンバル氏のチームが発表したもので、2つ目はアメリカのウイルス学者ロバート・ギャロ氏のチームがマサチューセッツ工科大学に掲載したものである。閻博士は、この2つのいわゆる「ピア・レビュー」の文章が発表された後、ウイルスの真相を明らかにすることに大きな抵抗を受けたと述べた。

 閻博士は、いわゆる「ピア・レビュー」の2つの文章は、いずれも証拠に基づく論理を重視する科学精神に合致するものではなく、多くのメディアに引用され、「ウイルスを実験室から来た」という観点を陰謀論のレッテルに貼り付けし、ウイルスの起源を探る努力をさらに抑制したと強調した。中共は、これらのメディアの不実な報道をもとに自らの罪を逃れ、ウイルスは自然発生の偽理論に違いないと主張した。

 同報告書によると、マサチューセッツ工科大学に掲載された同評論の筆頭著者であるロバート・ギャロ博士は、2009年に中国山東省にギャロ・ウイルス学研究所を設立した。さらに香港の企業である「Medisun Holdings Limited」の管理チームのメンバーでもある。また、2020年12月20日、ギャロ氏による閻博士に対する評論記事が掲載されてから3カ月後に、中共政権はギャロ氏に中国のトップレベルの「VCANBIO賞(バイオサイエンス・医学部門)」を授与した。ギャロ氏が中共政権との密接な関係にあることを考えれば、なぜ科学的根拠のない評論で閻博士を非難したのかが理解できるだろう。

閻麗夢博士は3月31日に発表した第3弾科学報告書のリンク:

https://zenodo.org/record/4650821#.YGqrFh_7SUm

(看中国記者・黎宜明/翻訳・藍彧)