ゴールデンクラスの世界最大級のコンテナ船であるエバーギブン(kees torn, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons)

 スエズ運河で座礁した巨大コンテナ船「エバーギブン」(愛媛県今治市の正栄汽船所有)は29日、潮汐と相まってついに離礁に成功した。スエズ運河は間もなく開通される。

 巨大コンテナ船「エバーギブン」が23日スエズ運河で座礁したため、エジプト政府は運河の河道を閉鎖し、29日までに400隻以上の船が立ち往生となり、スエズ運河史上最悪の閉鎖状態に陥った。

 座礁した船を移動させる試みは6日間行われていたが、28日午前4時まではわずかな距離しか移動できなかった。離礁作業に協力したオランダ社 「ロイヤル・ボスカリス・ウエストミンスター」のCEOピーター・ベルドゥスキー氏は声明で、「 我々の専門チームはスエズ運河庁と密接に協力し、見事に『エバーギブン』を離礁させられたことを喜んで発表する」と述べた。

 リフィニティブ社のデータ分析によると、スエズ運河が約1週間閉鎖したことで、エジプト政府は9500万米ドル(約100億円)以上の通航費を失った。この他、13%の世界貿易と10%の海上石油貿易がスエズ運河を利用して取引されているため、閉鎖により1日平均10億米ドル(1兆円)以上の損失をもたらした。

スエズ運河を塞ぐエバーギブンの衛星写真(Contains modified Copernicus Sentinel data 2021, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons)

(翻訳・藍彧)