欧州連合の政策執行機関である欧州委員会(EmDee, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 欧州連合(EU)が22日に中国共産党の複数の幹部に対して人権侵害を理由に制裁を行ったことを受け、中国外交部(外務省に相当)は同日、EUの複数の幹部に対する報復措置を発表したが、その後、多くの欧州諸国から強い非難を招いた。

 中国外交部は、EU制裁の発表直後にこれに対応する声明を発表し、EU議会議員をはじめ、加盟国の議会議員、学者、EU機関など、個人10人、団体4つに対する報復措置を発表した。同措置には、上記の個人及び家族の中国本土、香港、マカオへの入国が禁止され、彼らに関連する企業や団体も中国との如何なるビジネス連絡の一切が禁止されている。

 中国共産党の強硬的な対応に対し、欧州諸国は直ちに反応し、英国は新たな制裁を開始した。

 EU外務・安全保障政策上級代表ジョセップ・ボレル氏はインタビューで、「これらの措置は遺憾で受け入れられない。EUは人権を守るという約束を変えることはない」と述べた。

 欧州議会のダヴィド・サッソリ議長は、民主主義の義務を果たすために意見を表明したEU議会議員に対し、中国共産党が科した制裁は受け入れられないと述べた。更に「人権は奪われてはならない権利である」と強調した。

 オランダ外務省は2月22日、駐オランダ中国大使を召喚し、中国共産党の制裁リストにオランダ欧州議会議員のショー・ウイマー・ショーシマ(Sjoerd Wiemer Sjoerdsma)氏が含まれていることについて質問した。

 フランス外務省は、中国共産党の盧沙野大使を召喚するとともに、中国外務省が議会議員を含む多くのEU諸国の国民、特にフランスの欧州議会議員であるラファエル・グリュックスマン(Raphaël Glucksmann)氏に対する制裁に、抗議文を提出することを示した。

 英国財務省は、EUに続き、新疆ウイグル自治区の人権を侵害した4人の中共幹部と1つの団体に対する制裁を発表した。財務省は声明で、「4人と1つの団体(新疆生産建設兵団公安局)が人権侵害の制裁リストに掲載された」と述べた。

(翻訳・藍彧)