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 中国共産党は3月以降、予告もなく貿易と関係ない理由で台湾産パイナップルの輸入を停止し、台湾の輸出市場に深刻な影響を及ぼしている。その一方で、日本は東日本大震災で台湾から200億円以上の義援金への恩返しに、最近はパイナップルの注文が増えつつある。

 中国が台湾のパイナップルの輸入を停止すれば、台湾パイナップル総生産量の約1割を占めている台湾の輸出市場の90%に影響を及ぼす。台湾政府はすぐに10億台湾ドルのファンドを準備し市場に対応すると発表した。2月28日、蔡英文総統、頼清徳副総統、蘇貞昌行政院長はそれぞれ台湾パイナップルの主要産地である屏東、高雄、台南などを訪問し、企業による購入を促し、パイナップル市場への政府の臨機応変な対策とパイナップル農家に寄り添う決意を伝えた。

 長年にわたりパイナップルの輸出に従事している業者によると、台湾のパイナップルが貿易以外の理由で中国に禁止されたことが明らかになった後、たった1日で日本の注文が30%急増した。また、もともと中国にしか輸出していなかった台湾の一部農家から注文を日本に切り替える希望があったという。日本からの受注が増加した原因は東日本大震災での台湾への恩返しのみならず、「台湾の果物」が徐々に名を上げてきたからだと述べた。

 台湾の謝長廷駐日代表は2月27日にフェイスブックで、東京五輪で台湾選手を接待するる日本28都市にある小学校の給食にパイナップルを提供し、宣伝する意向を示した。

 台湾メディアの報道によると、蔡総統は2019年から農産物の中国輸出市場における依存度を下げなければならないことを意識していたという。したがって、積極的に他国の市場を拡大するとともに、2020年には農産物の加工食品を促進することで生産とマーケティングのバランスを調整することができ、もはや世界輸出において検疫で制限されることがなくなる。

 台湾の王定宇立法委員は「経済貿易交流は互恵的なものであるべきだが、中国共産党に武器として政治闘争の目的に利用されている。中国共産党は同じ手段で、民進党陣営の県や市にダメージを与え、台湾の内部協力者と一緒に民進党陣営の政権を踏みにじろうと考えている」と述べた。

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