日本の漫画家、清水ともみ氏描いた漫画(イメージ:清水ともみ氏のツイッターにより)

 オランダ議会は25日、中国共産党が新疆ウイグル自治区でウイグル人に対する「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定する動議を可決し、オランダは欧州で初めて認めた国となった。オランダ議会は、より多くの欧州議会が追随し、同様の認定を下すことに期待していることを表明した。

 政治週刊「ポリティカ」の報道による、3番目に大きい政党 自由主義政党「 民主66(D66)」の下院議員であり、同党の外務報道官を務めるショー・ショーシマ(Sjoerd Sjoerdsma)氏が提出した動議は、オランダ議会で可決されたという。動議では、中国共産党当局が新疆ウイグル自治区で実施している「ウイグル人の生育権の故意制限」と「懲罰的強制収容所」は、国連総会決議260号の「集団殺害罪の防止および処罰に関する条約(「ジェノサイド条約」とも呼ばれる)のなかで定義されるジェノサイドに該当すると指摘し、「中国では少数民族のウイグル人に対して大量虐殺が行われている」と述べた。

 ショーシマ氏は「新疆の再教育収容所は、推定100万人のウイグル人をはじめとするイスラム教徒の少数民族が収容されており、宇宙からも見ることができるほどの大規模なものだ。中国共産党によるウイグル人への拘束は第2次世界大戦以来の少数民族への最大の投獄だ」と述べた。

 オランダのステフ・ブロック外相は、「新疆のウイグル人の状況は非常に心配だ」「オランダ政府はこの問題について他国と協力するつもりだ」と述べた。

 同報道によると、ショーシマ氏は25日、さらに北京での開催される2022年冬季五輪の開催地変更を求める提案書を国際オリンピック委員会(IOC)に提出したという。

 1月中旬にトランプ前政権は中国共産党が新疆で「ジェノサイド」を実施していると認定し、カナダ下院も次いで2月23日に中国共産党がウイグル人への「ジェノサイド」を認めた。そして、カナダ議会は世界で初めて新疆人に対する集団殺害罪で中国共産党を有罪と認めた。

 フランスやイギリスの国会議員も中国共産党に対して同様の措置をとるよう働きかけており、イギリスの「民衆法廷」では中国共産党が新疆ウイグル自治区で行っている罪を調査している。

(翻訳・徳永木里子)