中国四大商業銀行の一つである中国工商銀行(Wpcpey, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 中国の商業銀行の収益は、新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)の影響を受け、2020年の純利益は前年比2.71%減の1.94兆元(約31.52兆円)となり、中国共産党が統計データを発表して(2010年第4四半期)以来初めての年間マイナス成長となった。

 ロイター通信は9日、中国の商業銀行は昨年の記録的な不良資産を処分した後、年末の不良債権比率が前年比2bp(べーシスポイント)微減したと報じた。中国共産党の金融規制担当者や業界関係者は、銀行の不良債権状況が今後も厳しいと予想している。

 国有大手銀行の職員は「資産の質の圧力は、今年銀行が直面する重要なリスクの一つだ」と述べた。

 同職員によると、昨年、新型コロナウイルスの流行で中小企業への影響を緩和するため、政策担当者は債務返済を延期する政策を導入し、企業へ最大1.5兆元(約24.4兆円)の利益を銀行に譲らせ、リスクを相対的に銀行に転嫁したという。今年でこの政策が終了し、段階的に廃止された後、不良債権は大量に発生すると予想した。

 中国銀行保険監督管理委員会のリスク担当責任者の肖遠企氏は先月、国務院新聞弁公室の記者会見で、銀行の不良債権の状況が今後も厳しく、潜在的な不良債権が増加する可能性があると語った。

(翻訳・徳永木里子)

==看中国(Vision Times Japan)の許可を得ることなく、記事や写真、イラスト、動画等のコンテンツを複製、配布、送信、転載することはできません。==