武漢で新型コロナの流行を報道した市民ジャーナリスト張展氏(YouTube動画のスクリーンショット)

 新型コロナウイルス(中共ウイルス)が再び中国の多くの都市で拡散している中、上海市浦東裁判所は、武漢で新型コロナの流行を報道した市民ジャーナリスト張展氏に懲役4年の実刑判決を言い渡した。カナダの国際関係省は1月20日、米国、英国、ドイツなどのメディア自由連合14カ国と一緒に署名した声明を発表し、張展氏の不当な逮捕と有罪判決に異議を唱えた。

 ラジオ・フリー・アジアによると、声明では「現在、中国では少なくとも47人のジャーナリストが拘束されており、世界のどの国よりも多くのジャーナリストが拘束されている。中国当局に対し、張展氏と報道した内容で拘束されているすべての人々を直ちに釈放することを強く求める。そして、中国当局に対し、ジャーナリストが逮捕、嫌がらせ、報復を恐れずに職務が行えるように、表現の自由だけでなく、メディアに対する広範な検閲と統制を止めるよう強く求める」と述べている。

 張展氏の逮捕は、中国の民主化団体やカナダのキリスト教団体の間で懸念を呼んでいる。多くの団体が中国に圧力をかける努力を強化するよう、カナダ政府に呼びかけている。

 民主中国のカナダの総務主任羅楽氏によると、張展氏は正義の擁護者であり、過去には弁護士として、人権を守ったことで弁護士の資格を剥奪され、今では武漢肺炎の真実を暴露したことで判決を受けた。中国は殺戮中毒の殺人者のように、無謀であり、国際社会が張展氏の釈放を求めることを全く考慮しないと述べた。羅楽氏は世界各国政府に、中国で人権迫害を行っている政府当局者に対して、何か実質的な通手を感じるような制裁措置をとってほしいと述べた。

 現在、中国の多くの地域で再び感染拡大が起きているが、張展氏のような市民ジャーナリストはほぼ絶滅してしまった。昨年2月、市民ジャーナリストの陳秋実氏、張展氏、李沢華氏、方斌氏は、武漢市が閉鎖されていた時、新型コロナウイルスの発生について自ら報道し、中国共産党当局により隠蔽されていた情報を外界に伝えた。しかし、「英雄」と呼ばれた市民ジャーナリストは、次々と当局に逮捕された。陳秋実氏の親友である総合格闘家徐暁冬氏によると、 陳秋実氏は山東省の故郷に帰ったが、まだ監視されており、姿を現していない。また、方斌氏逮捕されて以来、音沙汰がなく、一部の情報筋によると、武昌刑務所に拘束されている可能性があるという。

(翻訳・徳永木里子)