若宮正子氏(Araisyohei, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons)

 若宮正子(わかみや・まさこ)さんは、神奈川県出身です。小柄な体に白髪、今年で86歳という彼女は、なんと世界最高齢のアップルアプリ開発者であります。

 1994年、58歳で銀行を退職した正子さんは、病気で寝込んでいた母の介護を始めました。

 偶然にも「インターネット」ということを知り、人生初のノートパソコンを買いました。

 正子さんは母親の面倒を見ながらも、知らない人とコミュニケーションをとって仲良くなりたいと思っていました。そんな思いに駆られた正子さんは、自分にとって非常に複雑なパソコンの操作を覚えることができました。

 正子さんは、お母様が亡くなられてからは、昔の友人と連絡を取る時間が多くなり、パソコンやスマホで遊ぶことを楽しみ、インターネットのある生活を楽しんでいる周りのお年寄りが増えてきていることを手助けしていました。

 しかし、正子さんは、シニア世代向けに市販されているアプリがほとんどないことに気づきました。

 正子さんは、「若い人は自分たちの好みを知らないけど、私は知っています。プログラミングを学んで自分で開発したら」と考えました。

 周りからは「80歳を超えているのだから、あえてやる必要はないでしょう。プログラミングなんてとても難しいんだよ、若者でもできない人が多いし、コードすらを読めないあなたは、できるわけないだろう?」と言われました。

 しかし、正子さん「年をとっているから若い人ほど頭が良くないけど、勉強する時間はたくさんあります。1ヶ月で出来なければ1年、1年で出来なければ10年勉強します」と言いました。その勢いで、正子さんはプログラミングを独学で学び始めました。

 3年後、正子さんはプログラミングを学んだだけでなく、実際に「hinadan(ひな壇)」というアプリを開発しました。日本の年中行事に基づいて作られたシンプルなゲームで、高齢者向けのものであります。

 2017年にこのゲームはApp Storeで公開されてから、日本全国でヒットし、たくさんの好評を得ました。

 それを聞いたアップルCEOのティム・クック氏は、その年のアップルのワールドワイド開発者会議に彼女を招待したという。

 クック氏は会議の開催日に、正子さんについて、「世界最高齢のAppleアプリ開発者」と特別紹介しました。

 「日経アジアンレビュー」のインタビューで、正子さんは 「人間は何歳になっても勉強しなければならない、人生に遅すぎることなんてありません 」と語りました。

(翻譯・心靜)

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