演習中の米海兵隊特殊作戦コマンド(Cpl. Kyle McNally, Public domain, via Wikimedia Commons)

 中華民国海軍司令部は11月9日、 米海兵隊特殊作戦コマンド(マリーン・レイダース)がすでに台湾に到着し、9日から水陸両用作戦や、高速モーターボートでの侵入テクニックを教授することを明らかにした。海軍司令部は、今回は定例的な台米軍事交流訓練であると述べた。これは台湾とアメリカの外交関係が公式に断絶した1979年以来、初めて公式に公開された軍事交流である。

 台湾日刊紙「聯合報」の報道で、海軍司令部によると、マリーン・レイダースは10月26日にすでに台湾に到着したが、台湾の新型コロナウイルス感染症(武漢肺炎、COVID-19)対策のため、防疫旅館で2週間の隔離検査を受けていた。9日より、4週間連続台湾南西部の高雄市にある左営基地で、海軍陸戦隊に、水陸両用作戦における高速モーターボートでの侵入テクニックを教授する予定。

 海軍司令部は「地域の平和と安定を維持するため、台米軍事安全合作交流による定例の合同訓練を進めている」と強調し、訓練に関する詳細は明らかにしていない。

 中華民国前国防省副長官林中斌氏が9日にラジオ・フリー・アジアとのインタビューで、これはかつてない出来事であり、大々的公開されたことに重大な意義があると話した。中国軍による台湾への侵略が懸念されている中、米軍の今回の行動は台湾社会にとって、支援と安心の作用があり、トランプ大統領の台湾への支持でもある。

 中正大学戦略と国際事務研究所の助教である林穎佑氏は、今回の米台軍事交流は、米台が継続的に安定した連携を保持していることを意味すると指摘した。また、戦術型演習であるため、米・中・台間の戦略的変化に影響を及ぼさないという見方を示した。

 三立新聞の報道によると、台湾民進党立法委員趙天麟氏は「世界で最も強い海軍陸戦部隊を有する国家が米国と台湾である。中国のインド太平洋地区の軍事的拡張に対抗して、米国は前日、日本、韓国、オーストラリアと大規模な軍事演習を実施した。台湾も同地区で中国の脅威を受けており、今回の米台交流は海軍陸戦隊強者同士の交流である。また、台米の軍事交流は珍しくないが、今回のポイントは大々的に公開されたことであり、中国への警告でもある」と指摘した。

(看中国記者・明思/翻訳・北条)