(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 中国国民は、米国大統領選挙に異様な興味と関心を示し、国内外のチャットプラットフォームが米大統領選の話題で盛り上がっています。多くの人は中国で禁止されている「翻墙(ファイアフォールを突破する)」ツールで米国の選挙状況を中国内でシェアしています。

 11月4日、駐中国の米国大使館は米大統領選挙の仕組みを紹介した文章をウェイボーに投稿し、ネットユーザーの間で話題となりました。「アメリカはとても面倒ですね、みんな座って挙手すればいいじゃないですか」、「アメリカのおかげで、中国の一般市民は選挙に口頭で参加する気分を味わってもらえました」といったコメントが見られ、中にはトランプ氏の再選を支持する人もいました。

 中国は米国からの圧力が必要だ

 米国大統領選挙に注目している北京学者の周仝さんは、ラジオ・フリー・アジアとのインタビューで、「中国人が現在の米国大統領選挙に異様な関心を示しているのは、バイデン氏が民主党の代表として、米中関係を緩和する期待からでしょう」と述べました。

 周さんは「今、中国政府に圧力をかける必要があります。圧力が大きければ大きいほどよいのです。そのため、われわれもより強力なアメリカ大統領が必要です。現在、中国の問題は民主主義と専制の戦争であり、これは中国人だけの問題ではなく、全人類の問題です」と指摘しました。

 湖北省のネットユーザー高さんは、トランプ氏の再選を支持する理由をラジオ・フリー・アジアに語りました。「トランプ氏の支持者は中産階層が主流であるため、各財閥は誰も彼を賞賛せず、反対しています。トランプ氏は正義のために戦っています。権力・財閥階層の泥沼に立ち向かっているので、彼らに反対されるのは当然です。トランプ氏の再選を応援します。」

 中国の民衆は、かつてないほど米国の選挙に注目

 ラジオ・フリー・アジアの記者は、さまざまなソーシャルメディアにおいて、中国国内外の大多数がトランプ氏の再選を支持し、それとは反対に一部がバイデン氏を支持するということに気づきました。

 中国の法律界人士である李さんは「アメリカ大統領選が今日のように中国人の注目を集めたことは今まで一度もありませんでした。中国において、バイデン候補とトランプ候補をそれぞれ支持する人々の対立が際立っています。これはまさに、今回の選挙が非常に大切であり、米国人が大統領を選んでいるだけではなく、様々な問題が絡んでいることを示しています」と述べました。

 トランプ氏の再選を支持する学者李さんは「トランプ氏が再選すれば、確実に中国共産党を抑圧できると思います。オバマ氏とクリントン氏が中国共産党と非常に緊密な関係を維持していました。米国の変革を望んでいる人達は、米国人に限らず、われわれと同様に中国共産党に反対している人も、米国が中国共産党に対する態度を変えることを期待しています」と話しました。

 北京の独立メディア関係者である高瑜さんは「現在、誰もが米大統領選に注目しています。近年トランプ氏の中国共産党への制裁があったため、中国の自由派知識人や多くの一般の人々もトランプ氏の再選を期待しているのです」と述べました。

 国営メディアが米選挙のニュースに慎重な態度

 中国公式メディア『環球時報』は11月3日に「米大統領選の結果を左右するのは技術的なものに限らない」という社説を発表しましたが、大統領候補についてのコメントは控えました。 4日、中国メディアの選挙に関する報道はかなり控えめで、その政治的立場を隠しているようでした。しかし、中国の一般市民はメディアよりも米大統領選に関心があり、中国の宣伝部門はネット規制で米国選挙に関する情報をいつも通りにコントロールしています。

(翻訳・北条)